Shopifyは公式ストアで販売されているアプリを導入することなどで、手軽にセット販売ができるECプラットフォームです。
クロスセルとも呼ばれるセット販売は、売り上げ増加が期待できるマーケティング手法であるため、実施を検討しているEC事業者もいるのではないでしょうか?
しかし、セット販売はメリットがある反面、安易に実施するとEC運営に負担をかけるため注意が必要です。
そこで今回は、Shopifyでセット販売を行う際の注意点についてご紹介します。
ECにおいてセット販売は売上は上がりやすい反面、注意も必要
ECサイトでセット販売を実施することで、売り上げ増加が期待できます。「商品の売り上げがあまり良くない」「顧客の購入が続かない」と悩んでいる方であれば、メインの商品と一緒に関連商品を販売したり、同一の商品をパック販売したりといった戦略は有効です。
しかし、セット販売は売り上げが上がりやすい反面、何も考えずに実施すると、作業効率が悪くなったり、コストが増えたりする可能性もあります。ECでセット販売をする際は、メリットだけでなくデメリットについても理解しておかなければなりません。
セット販売はニーズと実現コストをみて実施しよう
ECサイトでセット販売を実施する際は、ニーズと実現コストの把握が大切です。たとえば、アパレル業界で人気のジャケットがあったとします。
顧客がそのジャケットを購入した場合、手持ちのアイテムと組み合わせて着ることもできますが、中には関連のTシャツやパンツを求める方もいるでしょう。
その場合、顧客のニーズを的確に汲み取ることができれば、売れるセット商品が実現します。
しかし、セット販売を実施した結果、今までよりも作業量が増える可能性もあります。
「組み合わせ購入可」など顧客に選択肢を与えることで、柔軟な対応がスタッフに求められるからです。
セット販売では、顧客のニーズと実現コストのバランスを意識する必要があります。
商品ターゲットに合わせたセット計画
セット商品は安易に作成するのではなく、ターゲットに合わせて計画しなければなりません。
たとえば、食器用洗剤を売る場合を例に考えてみましょう。「5人家族の40代既婚女性」と「一人暮らしの20代の男性」では、商品に求めるものが変わってきます。
前者であれば、毎日大量の洗い物が予想されるので「お得な2本セット」などが刺さるかもしれません。
一方で一人暮らしの20代男性の場合、洗剤が2本あってもなかなか使いきれないでしょう。むしろスポンジやたわしなどの関連商品とセット販売した方が、喜ばれるかもしれません。
以上のように、商品ニーズはターゲットごとに異なるため、セット商品はターゲットの需要に合わせて計画する必要があります。
バックヤード対応を仕組み化しておこう
セット商品の導入によって、在庫管理や配送対応に追われるなどバックヤード対応が苦しくなる場合があります。
これまでは注文が入った場合、単品処理で出荷すればいい問題ありませんでした。しかし、セット商品へ変更すると注文情報と出荷情報が異なるため、スタッフも混乱しやすくなります。
また、セット商品では在庫管理も複雑化します。セット商品の商品コードは単品とは別になるため、在庫チェックでの見落としも起きやすくなるでしょう。万が一、出荷ミスが発生した場合には、顧客の信用を失う恐れもあります。
そのため、セット販売で顧客に購入を促すときは、バックヤード対応を仕組み化しておくことが重要です。
売上アップを見越して実施しよう
EC事業者はバックヤード対応のコストも考えつつ、売上げアップを見越してセット販売を検討する必要があります。収益以上にコストがかかるのであれば、セット販売で無理をしない方がいいでしょう。スタッフが配送対応や在庫管理にすぐに対応できない場合には、ひとまずセット商品を保留しておくのも一つの方法です。
まとめ
Shopifyにおいてセット販売は、売上げアップを図る有効な手段です。
導入にあたってはニーズを調査し、ターゲットに合った商品の組み合わせを考えるようにしましょう。
セット販売では、配送対応や在庫管理が複雑になりやすいため、実施の際はバックヤードの仕組み化も欠かせません。
期待される収益とコストを比較検討して、セット販売の実施を決めてみてください。