近年のインターネットの浸透もあり、多くの方がEC事業を始めています 。
そんな中「Shopifyを使ってEC事業を始めたい」と、考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、そんなShopifyを使う上で、数多くの決済方法が登場しており、決済サービス選びで困っている方は多いと思います。
今回の記事では、Shopifyを使ってEC事業を始める方に向けて、「決済サービスとはそもそもどういうものなのか」、「それぞれにどんな特徴があるのか」「どんなことに注意をしなければいけないのか」等について紹介していきます。
- 決済サービスの意味が分かる
- 決済方法別の特徴が分かる
- shopifyにおける決済の注意点がわかる
決済サービスとは
決済サービスとは、直接的な現金の受け渡しによる原始的な決済方法ではなく、NFC等の無線決済技術を使ったり、QRコード等を用いて情報を送受信することによって決済を行うものです。
決済サービスごとの特徴
決済サービスにはそれぞれ特徴があります。 今回は以下の5種類に分けてそれぞれ説明していきます。
- クレジットカード決済
- キャリア決済
- 後払い決済
- QRコード決済
- その他の決済方法(銀行振込、代引支払い、コンビニ決済、etc)
①クレジットカード決済
ECサイト等で最も主流な決済サービスの一つです。
- 手持ちに現金がなくてもいつでも決済ができる
- 事業者側は販売機会の損失のリスクが少なく、トラブルも起きにくい
②キャリア決済
携帯料金とまとめて決済できるサービスになります。
- クレジットカードを持っていない10~20代の若年層の利用率が高い
- 対応していないキャリアもあるため、注意が必要
③後払い決済
商品が到着した後コンビニや郵便局、銀行等で料金を支払うという仕組みになります。
- 後払い事業者が代金の立替を行うため未払いのリスクを軽減することができる
- 一方で消費者が現金を持って支払いにいく手間が生まれるという点もある
④QRコード決済(ID決済)
QRコード決済のアカウント情報を利用して行う仕組みになります。
- 手持ちに現金がなくても簡単に決済ができる
- 会員情報が紐づけられているため、改めて名前や住所等を記載する必要がない
⑤その他決済方法
銀行振込、代金引換などの、上記以外の方法になります。
- 銀行振込は銀行に行き、支払いを完了すると商品が配送される
- 代金引換は商品を受け取った際にその場で料金を支払うため誰でも利用できる
Shopifyでの決済方法一覧
Shopifyで利用可能な決済は以下の通り。
クレジットカード決済
まずはEC決済の基本のクレジットカード決済です。
現在、ECサイトを利用している人の7割程度がクレジットカードを利用して決済しています。
Shopify Payments
対応ブランド | Visa、Mastercard、American Express、JCB |
決済手数料 |
国内発行のカード 3.25%〜3.4% 海外発行のカード American Express:3.8%〜3.9% JCB:4.05%〜4.15% |
振込手数料 | なし |
外部サービス取引手数料 | なし |
特徴 |
・Shopifyが運営しているため、導入が簡単 ・取引手数料がなく、決済手数料も低い |
Apple Pay
対応ブランド | Mastercard、American Express、JCB |
決済手数料 |
国内発行のカード 3.25%〜3.4% 海外発行のカード American Express:3.8%〜3.9% JCB:4.05%〜4.15% |
振込手数料 | なし |
外部サービス取引手数料 | なし |
特徴 |
・shopifyPaymentの決済設定画面でチェックを入れるだけで利用可能 ・日本で発行されたVisaカードは実店舗での利用は可能ですが、オンライン決済が不可能 |
Google Pay
対応ブランド | Visa、Mastercard、American Express |
決済手数料 |
国内発行のカード 3.25%〜3.4% 海外発行のカード American Express 3.8%〜3.9% |
振込手数料 | なし |
外部サービス取引手数料 | なし |
特徴 |
・shopifyPaymentの決済設定画面でチェックを入れるだけで利用可能 ・Googleアカウントと紐づけることで、住所等の入力を省ける |
Shop Pay
対応ブランド | Visa、Mastercard、American Express |
決済手数料 |
国内発行のカード 3.25%〜3.4% 海外発行のカード American Express 3.8%〜3.9% JCB 4.05%〜4.15% |
振込手数料 | なし |
外部サービス取引手数料 | なし |
特徴 |
・shopifyPaymentの決済設定画面でチェックを入れるだけで利用可能 ・Shop Payを有効化している他のストアでも情報を横断して保存・使用ができる |
Amazon Pay
対応ブランド | Visa、Mastercard、American Express、JCB |
決済手数料 |
デジタルコンテンツ 4.5% デジタルコンテンツ以外 3.9% |
振込手数料 | なし |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・会員登録の必要がなく、Amazonのアカウントで利用できる ・決済手数料が約4%と、他のサービスよりも少し高くなる |
PayPal
対応ブランド | Visa、Mastercard、American Express、JCB、銀聯 |
決済手数料 |
国内取引 3.60%+固定手数料 海外取引 3.60%+固定手数料+0.50% |
振込手数料 | なし(出金額5万円未満は250円/件) |
外部サービス取引手数料 | なし |
特徴 |
・世界で3億以上のユーザーが利用する大規模な決済サービス ・特に海外の顧客に対するECにも対応できる |
KOMOJU
対応ブランド | クレジットカード、PayPay、LINE Pay、メルペイ、 コンビニ決済、au PAY、キャリア決済、楽天ペイ、 Alipayなど |
決済手数料 |
クレジットカード 3.6~3.85% |
振込手数料 | 220円 (入金金額が3万円未満のときの日本国内への振込手数料) (海外送金は2,500円) |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・複数の決済方法を一括で導入できる ・初期費用・月額料金0円で利用できる |
後払い決済
Paidy翌月払い
対応ブランド | コンビニ、各銀行など |
決済手数料 | 個別見積もり |
振込手数料 |
コンビニ一括払い 356円 |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・初期費用・月額料金0円で利用できる ・売上金をpaidy側が100%入金保証している |
NP後払い
対応ブランド | コンビニ、各銀行、郵便局、LINE Pay など |
決済手数料 |
2.9~5.0% |
振込手数料 | 各種振込手数料あり |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・与信通過率97%と高精度の与信システムを持っている ・shopifyの場合、連携システムを利用することで無料で運用を自動化できる |
atone
対応ブランド | コンビニ、口座振替など |
決済手数料 | 1.9%〜2.9%+30円 |
振込手数料 | 各種振込手数料あり |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・翌月払いで、値引きに使えるポイントが0.5%還元 ・決済手数料は業界最低水準の1.9%から |
その他決済方法
GMO イプシロン
対応ブランド | クレジットカード、コンビニ決済、代引き決済、キャリア決済、GMO後払い決済 |
決済手数料 |
クレジットカード手数料 4.5~5.0% |
振込手数料 | 各種振込手数料あり |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・最短1営業日から導入可能 ・後払いからQRコード等のID決済まで、幅広い決済方法がある |
SBペイメントサービス
対応ブランド | クレジットカード、PayPay、キャリア決済、楽天ペイ、Webコンビニ決済 |
決済手数料 |
クレジットカード手数料 最安3.10% PayPay 3.45% |
振込手数料 | 各種振込手数料あり |
外部サービス取引手数料 | Shopifyのプランにより0.5~2.0% |
特徴 |
・多様な決済方法をまとめて導入できる ・事業者ごとにあった個別の見積もり提示が可能 |
決済方法の注意点
決済サービスを導入した際の注意点について解説していきます。
①入金サイクルについて
ECでの決済において重要なのが決済からの入金のサイクルになります。 基本的にクレジットカードは翌々月、その決済方法は翌月に入金の場合が多いです。
ここではよく使われる4つの決済サービスの入金サイクルを表にまとめて解説します。
Shopify payments | 最短5日後 最長11日 |
Paypal | 即時 (銀行口座への引き出しは3日後) |
Amazon Pay | 最短1日 通常14日 |
KOMOJU | 1週間 |
在庫管理や仕入れにも関わってくる部分なので、導入時にしっかりと確認しておきましょう。
②多通貨決済の有無について
ECを始める際に重要な点として、特に日本国内だけでなく海外の顧客にもアプローチをしていく方は決済方法に多通貨決済が可能かどうかも重要になります。
こちらも表にまとめて解説していきます。
決済サービス | 対応通貨 |
多通貨決済あり | |
Shopify Payments |
日本円 その他多通貨可能 |
Google Pay |
日本円 その他多通貨可能 |
PayPal |
日本円 その他21通貨可能 |
KOMOJU |
日本円 その他多通貨可能 (決済方法に付随する) |
GMO イプシロン |
日本円 多通貨決済可能 |
SB ペイメントサービス |
日本円 多通貨決済可能 |
日本円のみ | |
Apple Pa | 日本円 |
Shop Pay | 日本円 |
Amazon Pay | 日本円 |
Paidy翌月払い | 日本円 |
NP後払い | 日本円 |
atone | 日本円 |
決済サービス導入の際は、こちらも踏まえて検討してみてください。
③複数選択時の注意点
Shopify Paymentsを利用する際、先に外部の決済サービス(クレジットカード決済)を利用していた場合、VISA等が重複してしまうため、外部の決済サービスが停止される可能性があります。複数選択する際はその点も注意してしましょう。
まとめ
今回は、shopifyの決済について解説してきました。
- 決済サービスは、直接的な現金取引ではなく、情報の送受信による決済方法である。
- 決済方法はクレジットカードを筆頭に様々な方法が存在する。
- 入金サイクルについては各サービスによって異なるため注意が必要。
- 海外にもアプローチする際は多通貨決済の有無にも注意が必要。
この記事を通して、Shopifyでの決済方法について理解でき、ショップの特色に応じた決済サービス選択の一つの判断材料にしていただけたら幸いです。