昨今、「ライブコマース」が、新たなプロモーション方式として話題を集めています。ライブコマースは、特に中国ユーザーからの人気が高く、昨今は1回の配信で、取引額が億単位を超えるライブも珍しく無くなってきています。こうしたトレンドから、伝統的なEコマース事業者や、SNSなど、ライブコマースを導入するプラットフォームも数多く登場してきました。
世界で最も使われているEC構築プラットフォーム「Shopify」も、ライブコマースを導入しています。
このように、ライブコマースは、現在世界中から注目を集めるプロモーション方式ですが、日本ではまだまだ浸透しておらず、「聞いたことはあるけど、よく知らない」という方も多いはず。
そこで、今回はライブコマースの概要からメリット、Shopifyで実施する方法まで解説いたします。
- ライブコマースの概要
- ライブコマースのメリット
- ライブコマースを使ってECサイトの売上を最大化する方法
- ライブコマースを実施している企業
- Shopifyでライブコマースを実施する方法
ライバーが商品をプロモーション!「ライブコマース」とは?
ライブコマースとは、「ライブ配信で、ライバーが、視聴者とコミュニケーションをとりながら商品をPRすること」このような、ライブ配信を活用した取引のことを、ライブコマースと言います。
昨今は、YoutubeやTiktok、Twitchなど、一般人でもライブ配信ができるサービスが数多く登場しており、誰でもライブコマースができるようになりました。新型コロナウイルスによる巣篭もり需要も併せて、近年ライブコマースは非常に注目を集めるプロモーション方法となっています。
ライブコマースのメリット
では、世界中から注目を集めるライブコマースは、何が魅力なのでしょうか?ライブコマースの特徴から、そのメリットを紐解きます。
コミュニケーションを取れる
昨今の「大量消費社会化」が進む中、商品の種類は細分化、ブランドも多様化しており、「商品を購入する前に、その特徴を知りたい」という声が高まっています。
ライブコマースは、ライバーが配信内で視聴者とコミュニケーションをとりながら、商品の特徴や使い方などを説明できるため、そうした顧客のニーズに応えることのできるプロモーション手段となっています。
双方向のコミュニケーションが「テレビショッピング」との違い
日本にも、テレビショッピングやラジオショッピングといった商習慣が以前よりありますが、ライブコマースとテレビショッピングの違いはやはりこの「コミュニケーション」です。
ライブコマースでは、その場でユーザーの質問に答えたり、ユーザーと会話しながら商品の説明をするなど、双方向のコミュニケーションが実現可能です。
購入までのリードタイムが短い
ライブコマースでは、ライバーが直接顧客に商品を売り込むため、認知→関心→欲求→記憶→購入の購入プロセスを短縮することも可能です。そのため、購入までのリードタイムが短く、長期間の広告プロモーションなどにかける費用の削減にもつながります。
価格優位性を取れる
また、ライブコマースでは、一度に大量に商品を販売できるため、他PR費用を削ることができるなどの要因から、価格優位性を取れる点もメリットと言えるでしょう。
例えば、フォロワーが数百万人を超えるインフルエンサーが商品紹介すれば、一度のライブで数千・数万の商品が売れる可能性がありますので、こうした価格優位性を実現できます。
商品紹介をコンテンツ化できる
ライブコマースの何よりのメリットはこの「エンタメ性」です。ライブコマースは、一般的な広告・PRと違い、エンターテイメントとしての側面を色濃く持っています。
自分の好きなインフルエンサーが、楽しく商品を紹介してくれることで、購買意欲を掻き立てられるという方は少なくないでしょう。
ライブコマースを実施するには?3つの準備
ライブコマースを実施するには、以下の準備は必要です
- PR商品の準備
- プラットフォームの準備
- 配信者の選定
詳しく見ていきましょう。
①PR商品の準備
まずは、PRしたい商品の準備が必要です。
ライブコマースに相性の良い商品は、一般的に「商品の見栄えが重視され、トレンドの移り変わりが激しいもの」と言われています。
これは、たとえばアパレルグッズやコスメグッズなどが挙げられるでしょう。
PRしたい商品を作る際は、商品の見栄えを重要視し、PRしたいポイント、他社との差別化ポイントも明確にしておきましょう。
また、大量注文に備えて在庫を確保しておくこともお忘れなく。
②プラットフォームの準備
選定すべきプラットフォームは、SNSプラットフォームとECプラットフォームの2つです。詳しく見ていきましょう。
SNSプラットフォーム
TwitterやInstagram、TikTokやTwitchなど、今日SNSプラットフォームは数多くあります。ここで気をつけなければいけないのは、「ターゲットユーザーが数多くいるプラットフォームを選ぶこと」です。ユーザーの母数が多ければ多いほど、多くのユーザーに商品情報を届けることができます。
また、商品との相性にも注意が必要です。
たとえば、Twitterは文字を使って伝えることが得意なSNS、Instagramは画像を使って伝えることが得意なSNSで、それぞれのSNSによってユーザー層は変わってきます。
自社商品を、どんな層に届けたいのか、その層はどのSNSを使っているのかをリサーチした上でSNSプラットフォームを選定しましょう。
ECプラットフォーム
ECプラットフォームを選ぶ際、最も気をつけるべきは「システムの安定性」です。ライブコマースを実施すると、「一時的にサイトのアクセスが急激に増え、システムが落ちてしまう」と、いうことが起こり得ます。そうなってしまうと、せっかくライブコマースを実施した意味もありません。
普段のEC運営から、そうしたライブコマース実施に備えて、安定感のあるシステムを提供するサービスの利用をお勧めします。
おすすめはShopify
そこでおすすめなのがShopifyです。Shopifyは、世界トップレベルのサーバーの強さを持っており、なんと一分間に1万件もの注文を処理できます。
また、デザイン性も高く、幅広いブランド表現ができることや、Shopifyアプリによって様々な機能を簡単に追加できます。まさに「ECサイトにおけるワードプレス」のような便利なサービスです。
また、InstagramやTiktokなどSNSとの連携も豊富で、ライブコマースからの購買導線としては完璧なサービスです。
無料トライアルもできるので、ぜひ一度試してみてください。
③配信者の選定
最後は、インフルエンサーの選定です。
ライブコマース自体は、インフルエンサーでなくてもできますが、自社の商品に適したインフルエンサーや、「商品のターゲットにしたいユーザー」をフォロワーに抱えるインフルエンサーに依頼することで、大きなPR効果が期待できます。
インフルエンサーを選定する際は、
- フォロワー数
- ターゲットユーザーからフォローされているか
- 商品紹介に適しているスタイルでSNS活動をしているか
に注意するようにしましょう。
インフルエンサーへの連絡手段は、直接インフルエンサーへ直接連絡する、インフルエンサーマーケティング支援会社を利用する、など様々ございますので、自社にあった方法を試してみてください。
ライブコマースを実施している企業
ライブコマースを実際に導入している企業を3つご紹介します。
①三越伊勢丹
百貨店である三越伊勢丹は、ゲストとしてイラストレーターの方を招き、お中元の商品を実際に試食しながら魅力を伝えるといった内容や、催事に関した配信なども行っている。配信に芸人や料理研究家などをゲストに招くことで、新たな顧客を獲得することに成功しました。
https://mitsukoshi.mistore.jp/chugen/live/2020_01_live.html?live_id=xK5kfiDNrgX9vkrbaM4N&rid=30021f0ecca04d71839f80e11645c282
②ユニクロ
ユニクロは、2020年に「UNIQLO LIVE STATION」というライブコマースを始めました。配信は、タレントやモデルがユニクロの商品を実際に着用し、コーディネートを紹介するといった内容になっている。また、視聴者はコーディネートへの質問をリアルタイムで行うことができ、気に入った商品をサイトで購入することができます。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/live-commerce/
③ペットショップのコジマ
ペットショップのコジマは、「お悩み相談ライブ」というペットへの接し方をドックトレーナーが教えるといった内容や、手作りペットフードの作り方などの配信を行っている。リアルタイムに流れてくる視聴者からの悩みについてアドバイスを行い、配信中の画面から対面で行っているしつけ教室も予約することができます。
https://pet-shop.jp/kojima/
このように、ライブコマースはさまざまな商品・サービスを提供することができ、配信を工夫することによって、新たな客層の獲得にもつなげることができます。
ライブコマースをShopifyで実施する方法
近年、Shopifyでもライブコマース実施が整備されてきました。
ライブコマースのやり方としては、SNSでライブを実施して、そのライブから購入動線を作るだけですので、特殊なやり方というのはありません。
ですので、ライブコマース自体は誰でも簡単に実施可能です。
ライブコマースをやりやすくするアプリ
ただし、ライブコマースの体験を最大化するアプリは提供されています。
たとえば、ShopifyエキスパートのStore Heroが提供する「Live Hero」は、ライブ配信から商品購入をシームレスにつなげることができます。
一般的にEC購入は、画面遷移数が多ければ多いほど購入率が低下すると言われているので、こうしたサービスを使うことで、ライブコマースのPR効果を存分に受けることができるでしょう。
ライブコマースで自社商品を強力にPR!
ライブコマースは、中国を中心に爆発的な支持を集めるPR方法として、注目を集め始めました。
中国では、「インフルエンサーになれないクリエイターは生き残れず、クリエイターになれないインフルエンサーもまた生き残れない」と、言われるほど、事業展開をしていく上での創造性と拡散性が重要視されています。
もちろん、中国と日本の環境は違うため、中国と全く同じように発展するとは限りませんが、SNSの普及に比例して「SNS上での影響」の力は日を経るごとに増しています。ライブコマースは、そうした「SNS上の影響力」を使った新しい広告手法と捉えることもできるでしょう。
皆様も、自社PRにも、ぜひライブコマースを活用してみてはいかがでしょうか?