2024年12月11日に Shopify Edition Winter ’25 が開催されました。
150以上のアップデートが公開され、Shopifyはより進化したECプラットフォームとなりました。
あまりに多すぎるアップデートに、
・アップデートが多すぎてついていけない
・誰か分かりやすく解説してほしい
と思っている方も多いのではないのでしょうか?
そこで本記事では、以下について分かりやすく解説します。
・注目アップデートをピックアップして紹介
Shopify Edition Winter ’25 の要点まとめ|The Boring Edition
今回のEditionsのテーマは「The Boring Edition」でした。
Boring とは「退屈」を意味します。
新機能の実装ではなく既存機能のアップデートに注力した今回のEditionsを、皮肉を込めて「Boring」と表現しているのですね。
Boring と題されていますが、公開された150以上のアップデートはどれも重要なものでした。
既存機能の連携、改善、効率化に重点が置かれ、プラットフォームとしての完成度を高めようという意図を感じました。
以下の公式動画を見ることで、今回のアップデートの概要と方向性が分かります。
英語ですが、字幕機能を使えば内容は分かります。
注目アップデートをご紹介
注目アップデートをいくつか紹介します。
それぞれについて、個別の解説記事を用意しているのでぜひそちらもご覧ください。
①検索機能の強化
Search & Discovery(検索・絞込)に関連するアップデートは次の通りです。
- 親商品と子商品の表示コントロール
- カテゴリーフィルターでの順番変更
- カテゴリーメタフィールドを使ったフィルタリング
親商品と子商品については、「Shopify Combined Listings」というアプリの使用が前提になります。
カテゴリーフィルターやメタフィールドをつかった絞込の機能強化が進み、ユーザーの使いやすさや商品の探しやすさにフォーカスしたアップデートになっています。
【Shopify Edition Winter ’25】Search & Discoveryでの機能改善について
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/8970
②サブスクリプションアプリの改善
サブスクリプションアプリに関連するアップデートは次の通りです。
- 過受注対策の強化
- ディスカウントオプションの強化
在庫情報を連動させて過受注を防ぐ仕組みが強化されました。サブスクリプションプランの更新時に商品が在庫切れの場合は、新規注文を制限してくれます。
他には、サブスクリプションで「Xを購入するとYをプレゼント」のディスカウントができるようになっています。
【Shopify Edition Winter ’25】サブスクリプション機能のアップデートについて
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/8977
③チェックアウトの改善
チェックアウトに関連するアップデートは次の通りです。
- Checkout Blockの全プランへの解放
- チェックアウトまわりの高速化
- カートの有効期限の延長
サンクスページや注文状況ページをノーコードでカスタマイズできる「Checkout Block」が全プランで使用できるようになりました。
他には、読み込み速度の改善やカートに入れた商品の保持期間延長などがアナウンスされました。
【Shopify Edition Winter ’25】チェックアウト機能のアップデートについて
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/8996
④Shopify Flowのアップデート
Shopify Flowに関連するアップデートは次の通りです。
- セグメントによるマーケティングの自動化
- 返品自動化
- 多くのタスクの自動化
- メタオブジェクトトリガー
Shopify Flowをうまく使うことで、マーケティング施策やその他の様々な処理を自動化できます。
今回のアップデートでは、自動化の範囲やトリガーが強化されました。
【Shopify Edition Winter ’25】Shopify Flowのアップデートまとめ
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/8890
⑤Shopify Emailの強化
Shopify Emailに関連するアップデートは次の通りです。
- メールエディタでの画像編集
- 商品キャンペーンの作成が簡単に
- カスタムUTMパラメータの設定
どれも新機能というよりは既存機能のアップデートです。エディタの強化や商品キャンペーンの作成が簡単になることで、痒いところに手が届くようになった印象があります。
【Shopify Edition Winter ’25】メールマガジン機能のアップデートについて
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/9006
⑥自動コレクションと自動ディスカウント
運用の自動化に関連するアップデートは次の通りです。
- タクソノミーに基づく自動コレクションの作成が可能に
- 自動ディスカウントの上限数が25に
自動コレクション(スマートコレクション)の条件に、カテゴリーメタフィールド(タクソノミー)を指定できるようになりました。
これにより、より細かくコレクションの作成ができます。
自動ディスカウントの上限数も大幅に増えました。
これを使うことでユーザーは、わざわざクーポンコードを入力する必要がなくなるのでクーポン施行率も向上します。
【Shopify Edition Winter ’25】自動コレクションと自動ディスカウントのアップデートを解説
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/9018
⑦分析・レポートの改善
分析・レポートに関連するアップデートは次の通りです。
- バンドル別のレポート機能の実装
- RFM分析の実装
- Shopify QLの活用
バンドル(セット商品)のパフォーマンスを分析できるようになりました。また、RFM分析が実装されたことで、顧客分析に幅が出ました。
Shopify QLの活用はやや高度な技術が求められるので、なかなか使う機会はないかも知れません。
【Shopify Edition Winter ’25】分析・レポート機能が強化されました!
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/9026
⑧広告連携の強化(Shop Campaign / Google広告 )
広告に関連するアップデートは次の通りです。
- Shop Campaignの登場
- Shopifyの顧客セグメントを利用したGoogle広告の運用
日本では使えませんが、成果報酬型の「Shop Campaign」が登場しました。現時点での対象国はアメリカとカナダです。
低リスクで販路を拡大できるので良いですね。早く日本にも上陸して欲しいです。
【Shopify Edition Winter ’25】広告との連携強化について解説!(Shop Campaign / Google広告 )
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/9034
⑨越境ECの強化
越境ECに関連するアップデートは次の通りです。
- 自国の言語で検索が可能に
- 「Managed Markets」の機能強化
Search & Discovery での検索で、自国の言語でも検索ができるようになりました。
また、「Managed Markets」でいくつかの機能強化が発表されました。関税を商品価格に含めて表示できるようになったり、配送補償が手厚くなりました。
ただ、この「Managed Markets」は現状アメリカのマーチャントしか使えません。
【Shopify Edition Winter ’25】越境ECのアップデートについて解説します
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/9041
⑩開発者向け機能の強化
150を超えるアップデートの中で多くを占めるのが、開発者向け機能の強化です。
ECマガジンでは以下の2つの機能に着目して解説しています。
GraphQL Admin API 2024-10 の変更点 ( Online Store )
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/8935
Shopify UI拡張機能の追加 ( picker )
https://ec.huckleberry-inc.com/archives/8960
まとめ
今回のEditionsは「The Boring Edition」という題名の通り、大きな衝撃はありませんでした。
しかし、個々の機能改善や機能同士の連携が強化されたことにより、Shopifyというプラットフォームの完成度が底上げされたように感じています。
ここ数年、ものすごい勢いで新機能を発表し続けてきたShopify。
ここにきて、機能を”整える”フェーズに入ってきたのかな、とも感じています。
Shopify Edition Winter ’25 で発表された全機能は以下のページで確認できます。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。
Shopify Editions25年冬
https://www.shopify.com/jp/editions/winter2025
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