TikTok ShopとShopeeやLazadaの違いを解説!

越境ECも視野に入れてEC市場への参入を検討する際に「どのマーケットプレイスが自社の商品やブランドに最適なのか?」と悩むEC事業者も多いのではないでしょうか。
東南アジアでは有名なTikTok Shop、Shopee、Lazadaですが、本記事ではそれぞれの違いや特徴を解説します。

なお、ShopeeとLazadaはまだ日本に上陸していません。

 

TikTok Shop、Shopee、Lazadaの強み

 

ブランド認知度向上と爆発的な売上貢献に強いTikTok Shop

TikTok Shopは、カート付きのショート動画やライブコマースによる圧倒的な拡散力が魅力です。

「見つけてもらう」ことからそのまま購買につなげるエンターテインメント性の高い販売手法は、若年層をターゲットにしたトレンド商品の展開と非常に相性が良いといえるでしょう。
また、インフルエンサーと連携することで、一夜にして爆発的な売上を生み出すポテンシャルも秘めています。

 

東南アジアの幅広い顧客層にリーチできるShopee

Shopeeは、東南アジアの多くの国でトップレベルのシェアを誇り、膨大なユーザーベースを持つことが最大の強みです。
頻繁に開催されるセールやキャンペーンは強力な集客力を持ち、日用品から家電まで、あらゆるカテゴリーの商品で安定した売上が期待できます。

また、法人でない場合でも出店可能で、中古品の販売もできるため参入しやすい点も特徴の1つです。
シンガポールやタイ、マレーシアなどのアジア市場での足場を築きたいと考える事業者にとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。

 

ブランド価値と信頼性に強みがあるLazada

Lazadaは、中国大手ECグループのAlibabaの子会社が運営しています。正規品しか販売できないように工夫された「LazMall」など、信頼性を重視した運営をしていることが大きな特徴です。また、原則として法人か個人事業主しか出店できず個人では出店できません。そのため、信頼性の高いブランドイメージを構築したい場合に向いています。

価格競争よりも、品質やブランドストーリーで勝負したい高価格帯の商品や、公式ストアとしての安心感を顧客に提供したい場合に、おすすめできるECプラットフォームです。

 

TikTok ShopとShopeeとLazadaの特徴

各プラットフォームの特性をより深く理解するために、それぞれの特徴と利用する際の注意点を詳しく見ていきましょう。

ここでは、TikTok ShopとShopee、Lazadaの違いを簡単にまとめた比較表を参考にしながら、個別に解説します。
自社の持つリソースや販売戦略と照らし合わせながら、最適なプラットフォームを見極めるための参考にしてください。

 

特徴 TikTok Shop Shopee Lazada
強み ショート動画による拡散力、ライブコマースの訴求力 圧倒的なユーザー数、頻繁なセール ブランドイメージの構築と信頼性の担保
販売形式 コンテンツ連動型 マーケットプレイス型 マーケットプレイス型
販売手数料 7% 7%~17%程度 6%~12%程度
注意点 コンテンツ制作の負担、炎上リスク 価格競争の激化、セールやキャンペーンによる利益率の変動 機能の複雑さ

 

TikTok Shopの特徴

TikTok Shopの大きな特徴は、カート付きのショート動画やライブコマースによって、ユーザーが「買い物」を意識することなく、楽しみながら自然に商品と出会う仕組みです。また、外部に誘導することなくTikTokアプリ内で購買まで完結しているため、離脱率を下げている点も大きな特徴といえます。

ライブコマースによる高いエンゲージメントも特筆すべき点でしょう。リアルタイムでの双方向コミュニケーションは、視聴者の購買意欲を直接的に刺激し、コンバージョン率の向上に大きく貢献します。ライブコマース中に限定クーポンを配布するなどの施策も可能です。

また、TikTokで活躍しているインフルエンサーを起用すれば、その影響力で短期間にブランド認知度を高め、ブランディング効果を最大化することもできます。

 

TikTok Shopの注意点

TikTok Shopの強みであるコンテンツ主導の販売スタイルは、コンテンツ制作の負担という側面も持ち合わせています。
ユーザーの関心を引きつけ続けるためには、トレンドを捉えた質の高い動画やライブ配信を定期的に行う必要があり、相応のリソースが求められるでしょう。

ただし、TikTokのアフィリエイトプログラムを利用することでTikTokで活躍しているインフルエンサーに宣伝してもらうこともできるので、自社でコンテンツを制作できない場合でも出店するメリットがあります。

また、拡散力が高いからこそ、不適切な表現や商品に対する誤解が原因で炎上につながるリスクも考慮しなくてはなりません。短期的なトレンドに売上が左右されやすい可能性もあり、安定した収益基盤を築くには、単発のバズを狙うだけでなく、長期的なファンを育成する視点を持って運用することが大切です。

 

Shopeeの特徴

Shopeeが東南アジア市場で絶大な支持を得ている背景には、その圧倒的なユーザー数と幅広い顧客層があります。あらゆる年齢や所得層の人々が日常的に利用しており、日用品から趣味のアイテムまで、多種多様な商品の販売機会が見込めます。

さらに、Shopeeの大きな武器となっているのが、「9/9」「11/11」「12/12」といった大規模なセールイベントです。これらの期間中、プラットフォーム全体のトラフィックは爆発的に増加し、新規顧客を獲得する絶好のチャンスとなります。このセールにあわせて送料無料キャンペーンや割引クーポンといった多彩なプロモーション機能を活用することで、効果的な販売促進が可能になるでしょう。

 

Shopeeの注意点

多くのセラーが集まる巨大なマーケットプレイスであるため、価格競争が非常に激しくなる傾向が見られます。
特に、差別化が難しいコモディティ商品を扱う場合、利益率を維持することが難しくなるかもしれません。

安易な値下げ競争に陥ると、ブランド価値を損なう可能性も考えられます。
セールへの依存度が高まると、プロモーション期間外に売上が伸び悩むおそれもあるので注意しましょう。

手数料体系がキャンペーンやプログラムによって変動する場合があるため、常に最新の情報をチェックしながら計算し、計画的な価格設定とプロモーション戦略を立てることが求められます。

 

Lazadaの特徴

Lazadaの大きな特徴は、高い信頼性にあります。

その象徴が、企業や正規販売代理店のみが出店を許される「LazMall」です。
厳しい審査を経て正規販売店のみ出店できるこの仕組みは、ユーザーに安心感を与え、高価格帯の商品でも信頼して購入してもらえる土台となっています。

また、サイト全体の洗練されたデザインは、ブランドの世界観を表現し、商品の魅力を最大限に引き出すのに役立ちます。
このような環境は、価格競争ではなくブランド価値で勝負したい事業者にとって魅力的といえるでしょう。

 

Lazadaの注意点

東南アジア全体で見ると、ユーザー数ではShopeeに一歩譲る地域もあり、集客面で工夫が必要になるケースも考えられます。
そのため、プラットフォーム内での広告出稿やSNSからの誘導など、積極的なマーケティング活動が必要になるかもしれません。

また、Alibabaの技術を背景に持つ多機能なプラットフォームであるため、セラーセンターの管理画面がやや複雑で、全ての機能を使いこなすには学習コストがかかる可能性があります。
特に信頼性の高いLazMallへの参加には厳格な審査があるため、事前の準備をきちんと行うことが大切です。

 

越境EC市場の現状

東南アジアの越境EC市場は、世界的に見ても驚異的なスピードで成長を続けています。

スマートフォンの急速な普及が背景にあります。
彼らはデジタルデバイスを巧みに使いこなし、SNSを通じて新しい情報を得ることに積極的です。

特に、ShopeeやLazadaといったプラットフォームは、この市場の成長を牽引してきました。
これらのプラットフォームは、現地での決済手段の多様化や、物流ネットワークの整備に力を入れることで、ユーザーが快適にオンラインショッピングを楽しめる環境を構築しました。

これにより、多くの人々にとってECは特別なものではなく、日常的な購買チャネルとして定着しました。
この安定した基盤が、多くの事業者にとって参入しやすい環境を提供しているといえるでしょう。

 

TikTok Shopがなぜ今注目されているのか

TikTok Shopがこれほどまでに注目を集める理由は、それが単なるEC機能の追加ではないからです。

従来のECが、購買意欲のあるユーザーが商品を検索してたどり着く「目的買い」が中心だったのに対し、TikTok Shopは全く新しい購買体験を提供します。
それは、「コンテンツを見て楽しんでいたら、いつの間にか商品を買っていた」という体験、いわゆる「エンターテインメントコマース」です。

ユーザーは面白いショート動画や、応援しているクリエイターのライブ配信を視聴する中で、自然な形で商品と出会い、その魅力に引き込まれていきます。
この発見型の消費行動が、これまでECではアプローチが難しかった潜在顧客層へのリーチを可能にしているため、大きな注目を集めているわけです。

 

TikTok ShopとECカートシステムを自動データ連携するには? – CoreLink for TikTok Shopがおすすめ

TikTok ShopとECシステムを連携するには、「CoreLink for TikTok Shop」がおすすめです。
このプロダクトは、TikTok Shopで販売をするための商品、在庫、受注データの連携iPaaSで、多数のカートや基幹システムに対応しています。

セラー用の管理画面でCSVのアップロードや手動での登録も可能ですが、スピーディな運用ができなかったり、作業時にミスをするリスク、商品数が多いとそもそもデータ連携をしないと無理な場合もあります。
「CoreLink for TikTok Shop」の連携予定カート/連携予定システムは次の通りです。

いち早くTikTok Shopに参入し、競合他社に差を付けるためにもデータ連携の課題はなくしておきましょう。

 

まとめ

本記事では、アジア市場で大きなシェアを占めている3つのECプラットフォーム、TikTok Shop、Shopee、そしてLazadaについて、それぞれの特徴を解説しました。

東南アジアでは3つのプラットフォームがすでに大きなシェアをとっていますが、日本では2025年6月にTikTok Shopが始まったばかり。
ShopeeとLazadaはまだ日本に上陸していません。

今後も新しいプラットフォームが日本に参入してくることが予想されます。
最新の情報をキャッチアップして、事業の成長をつかみとりましょう。