Shopifyでecストアを開設したものの、売上がイマイチで解約したいと考えている方もいるかと思います。
解約にあたっては、具体的な解約手順はもちろん、それに伴う手続きにはどのようなものがあるのかも気になりますよね。
また、売上でお悩みの場合は、解約ではなくストアの一時停止やプランのダウングレードといった選択肢もあります。
この記事では、Shopifyストアの解約と一時停止の手順、その際あわせて必要な手続きについて詳しく解説します。
さらにダウングレードの方法や、サイトの見直すべきポイントについても紹介しますので、解約の前に今一度参考にしてもらえればと思います。
1. Shopifyを解約するには?
Shopifyでは「解約」や「退会」という表現を使用していません。 「ストアを無効化」することが解約・退会にあたります。
1.1 Shopifyの「ストアの無効化」手順
ストアの無効化は、ストアオーナーのみ手続き権限があります。
ストアの無効化の設定手順は次の通りです。
<設定手順>
- Shopify管理画面にストアオーナーとしてログイン
- 管理画面から「設定」>「プラン」をクリック
- 画面下部の「ストアの無効化」をクリック
- ポップアップが表示されるので、解約の理由を選択し、「続行」をクリック
- パスワードを入力し、「今すぐ無効化する」 をクリックすると完了
1.2 「ストアの無効化」をするとどうなるのか
ストアの無効化の完了後、確認のメールが届きます。
ストアの無効化から2年間はストアの情報が保持されるので、その期間内であればデータを引き継いでストア再開が可能です。
例えばストアの立て直しを図ったり、一時的に別の業務に集中したりと、「完全に閉鎖せずストアを残しておいて、一旦運営を休止したい」という場合もありますよね。
そのようなときには一時停止のプランに変更することもオススメです!
詳しいプラン内容と設定手順について説明いたします。
1.3 Pause and Buildプランと再開手順
Pause and Buildプランを利用したストアの一時停止は、いつでも解除可能となっています。
ストアを再開する場合、一時停止前のプランに自動的に復帰することはなく、再度プラン選択が必要となります。
<プラン内容>
- ストアへのアクセスや編集は可能
- ユーザーは商品の閲覧が可能だが、購入はできない
- 月額9ドルのプラン料金が発生する
<ストアの再開手順>
- ストアオーナーとして管理画面にログイン
Shopify管理画面にログインし、ストアオーナーとしてアクセスします。
- 「Re-open <shop-name>.myShopify.com」をクリック
ストア再開のオプションが表示されます。こちらをクリックします。
- プランの選択
利用可能なプランを確認し、ご希望のプランを選択します。
- 支払い情報の入力
プラン選択後、「確認して登録」セクションに進み、支払い情報を入力します。
- [登録]をクリックして再有効化
必要事項を確認後、「登録」をクリックすると、ストアの販売が再開されます。
この手順は、2024年12月時点での情報に基づいています。 実際に手続きを行う際は、Shopify公式サイトのヘルプセンターで最新情報をご確認ください。
詳細は、「ストアを一時停止または無効化する」をご参照ください。
2. 解約・一時停止時に必要な手続き
2.1 未払い料金の清算
Shopifyを解約・一時停止する場合は、未払い料金を清算する必要があります。
未払いに注意すべき主な請求は以下の3つになります。
- Shopifyプラン料金
- サブスク契約しているアプリ料金
- 取引手数料
Shopifyのプラン料金、アプリ料金や取引手数料はそれぞれ請求タイミングが決まっているため、解約・一時停止のタイミングによっては次月分の支払いが必要となる可能性があります。
支払い状況は管理画面の「請求状況」から確認できますので、解約手続きはこれらの状況を確認した後に行いましょう。
2.2 Shopifyアプリの解約
Shopifyを解約・一時停止した場合でも、Shopifyストアで利用していたアプリ自体は自動的に解約や一時停止にはなりません。
特に、ストア無効化を行う場合には、あらかじめアプリを解約しておきましょう。
解約を忘れた場合、Shopify解約後もアプリ料金が発生することになるため必ず確認をお願いします。
また、アプリ自体には一時停止プランがないため、Shopifyストアを一時停止する場合、
- 一旦解約し、ストア再開後に再インストールをする
- 一時停止中も引き続き利用料金を支払う
上記のどちらかを選択する必要があります。
アプリで重要な機能を実装している場合、アプリを解約してしまうと、ストア再開後の運営に支障をきたす可能性があります。
そのため、各アプリの役割と重要性を十分に検討した上で、解約するかどうかを考えましょう。
2.3 ドメインの移管・削除
Shopifyで購入したドメインは、外部プロバイダーに移管が可能です。
Shopifyを解約してストアを新しいプラットフォームに移行する場合は、手続きを確認しておきましょう。
外部サービスで取得したドメインがある場合は、Shopify解約前に管理画面から削除が必要です。
ドメインを削除せずに解約してしまうと、他のウェブサイトでそのドメインを使用できなくなる可能性がございます。
3. Shopifyの主要プランと変更方法
3.1 Shopify主要プラン
Shopifyの主要プランは、3種類あります。
(新規加入者向けスタータープラン、大企業向けプラスプランは割愛します。)
Basic | Shopify | Advanced | |
---|---|---|---|
月額費用 | ¥4,850 | ¥13,500 | ¥58,500 |
決済手数料 | 3.55% | 3.4% | 3.25% |
※2024年12月時点の情報、月払いの場合
どのプランであっても商品登録数の制限はありません。
各プランでの主な違いは販売手数料や利用できるスタッフアカウント数となっています。
上位のプランで契約している場合は、プランのダウングレードによってコストを削減しながらストアを運営し、改善を進めていく方法もあります。
プラン変更をした場合、プラン料金は日割りとなり、変更当日から新しいプラン料金が適用されます。
3.2 プラン変更手順
プランを変更したい場合は、次の手順で変更ができます。
<設定手順>
- 管理画面から「設定」>「 プラン」をクリック
- 「プランを変更」をクリック
- 利用したいプランを確認し「プランを選択」をクリック
- 「請求サイクル」や「決済方法」を選択し、「プランを開始する」をクリックして完了
せっかくShopifyストアを開設したのであれば、なるべく解約は避けたいものです。
解約が頭をよぎったときは、まずサイトを見直しすることをおすすめします。
業績が低迷しているサイトの改善すべきポイントについてまとめたので、ぜひ参考にしてください。
4. 解約前に試しておきたい売上向上のための施策
Shopifyストアの解約を検討する前に、売上向上のための施策を試してみませんか? SNS、メールマーケティングなどを活用することで、効果的な集客とリピーター獲得が可能です。
以下に、具体的な施策をご紹介します。
4.1 SNSマーケティングの活用(Instagram・Facebook)
SNSは現代のECビジネスにおける最も効果的な集客ツールの一つです。 InstagramとFacebookは、視覚的なアプローチで商品の魅力を効果的に伝えられるプラットフォームとなっているので、活用していきましょう!
- Instagram活用のポイント
- **ShopifyとInstagramの連携:**Shopifyの管理画面からInstagramショッピング機能を設定でき、投稿やストーリーズから直接商品の購入が可能になります。(Shopify公式ページ:ShopifyとInstagramの連携方法を解説!【画像付き】)
- **ストーリーズでリアルタイムな情報発信:**商品の使用方法や新着情報を動画・画像で紹介。24時間限定の特性を活かし、セールの告知にも効果的です。
- ハッシュタグ戦略:「#Shopifyストア名」「#〇〇(商品カテゴリー)」など、関連性の高いハッシュタグで投稿の検索性を高めます。
- **リールで拡散効果を狙う:**商品の使用方法を紹介する短尺動画で、効果的に認知度を高められます。
- Facebook活用のポイント
- **広告でターゲットにリーチ:**カスタムオーディエンス機能で、既存顧客や類似した属性を持つ潜在顧客にアプローチできます。
- **Facebookグループでコミュニティづくり:**商品やブランドについて気軽に話し合える場を作り、顧客同士の交流を促進し、商品についての情報交換や活用法の共有ができる場を作れます。
これらのSNS戦略を効果的に活用し、ブランド認知度の向上と購入率アップを実現しましょう。
4.2 Shopifyメールで効果的な顧客コミュニケーション
メールマーケティングは、コストを抑えながら顧客との関係を深められる効果的なツールです。Shopifyメールを活用することで、顧客の購買行動に基づいた最適なコミュニケーションが実現できます。
毎月最大10,000通まで無料で送信可能で、それ以降は1,000通につき1米ドル(または1通あたり0.001米ドル)のお支払いとなります。
- **カゴ落ちメールの送信:**カートに商品を残した状態で離脱した顧客へリマインドメールを送信できます。カートページへのリンクを記載することで、直接購入を促すことも可能です!
- **定期的なニュースレター:**スケジュール機能を活用し、新商品情報やセール案内、イベント情報などの多様なコンテンツを定期配信が行えます。
- **顧客セグメント別のアプローチ:**過去の購入履歴や地域などの属性に基づいて顧客をグループ化し、それぞれに最適化されたメッセージを配信できます。特別割引や地域限定キャンペーンなど、パーソナライズされた配信が可能です。
- セグメントの設定方法:
-
- 管理画面から「顧客管理」を開く
-
- 「絞り込みを追加する」から条件(顧客タグ、注文数など)を選択
-
- 「セグメントを保存する」をクリック
-
- セグメント名を設定して保存
-
- メール配信時にセグメントを選択して配信
-
- セグメントの設定方法:
Shopifyメールを活用することで、お客様の購入履歴データを基に様々なアプローチが可能です。
例えば、購入履歴データを基に、初回購入者には特別割引、リピーターには新商品情報、長期的に未購入状態の顧客には特別オファーなどを自動配信することができます。
このような顧客のステータスに合わせたコミュニケーションにより、効率的な顧客関係の構築と維持が可能になります。
4.3 UGC(ユーザー生成コンテンツ)の利用
UGC(ユーザー生成コンテンツ)は、顧客が投稿するレビュー、写真、動画、SNS投稿など、顧客発信のコンテンツを指します。信頼性の高いコンテンツとして、新規顧客の購買意欲を高めると同時に、既存顧客との関係を深めることができます。
- **レビューや写真の掲載:**商品ページに購入者のレビューや写真を掲載。特にInstagram投稿をストアページに埋め込むことで、視覚的に商品の魅力を伝えられます。
- キャンペーンでUGCを促進:「#〇〇キャンペーン」などのハッシュタグを設定し、投稿者への特典を提供することで自発的な投稿を促します。
- **SNSでのリポスト:**顧客が投稿した写真や動画を公式アカウントで共有します。ブランドと顧客の距離が近くなることでエンゲージメントが向上します。
UGCを活用することで、顧客視点で商品の魅力を伝え、自然な口コミ効果でブランドの認知拡大を図れます。
4.4 インフルエンサーマーケティングで認知度を高める
SNSやYouTubeなどで影響力のあるインフルエンサーとの協力は、ブランドの認知度向上と売上増加に効果的です。ブランドや商品にとって適切なインフルエンサーに依頼することで、ターゲットとなる顧客層に自然な形で情報を発信できます。
- 短期的なプロモーション戦略:
- 商品レビューや商品PR動画の制作依頼
- 期間限定の割引コードの提供
- 新商品発売時のティザー投稿
- 長期的なブランド構築:
- ブランドアンバサダーとしての継続的な起用
- 商品開発への参加やフィードバックの収集
- ブランドストーリーの共同発信
- インフルエンサー選定の重要ポイント:
- フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率を重視
- ブランドの価値観との一致
- 過去の投稿内容や他ブランドとの取引実績
インフルエンサーマーケティングでは、短期的なプロモーションと長期的なブランド構築の両面からアプローチすることで、より効果的な成果を上げることができます。
5. Shopifyで使えるマーケティングツール
Shopifyストアの運営において、データ分析は売上向上と集客力強化に欠かせません。 GoogleのツールとShopify独自の分析ツールを活用することで、ストア運営の効率を大幅に改善できます。 これらのツールの具体的な活用方法をご紹介します。
5.1 Googleアナリティクス・Google Search Consoleの活用法
Googleの分析ツールを使うと、サイトの訪問者数や人気ページなど、ストアの運営状況を簡単に確認できます。 また、Shopifyと連携すれば、お客様の行動パターンやGoogleでの検索結果での表示状況まで、詳しく把握することができます。
- Googleアナリティクスの活用
Googleアナリティクスは、サイト訪問者のデータを追跡・分析できるツールです。
- 訪問者数・流入元の確認:どの広告やSNS投稿からの集客が効果的か把握できます。
- ページごとのパフォーマンス:人気商品ページや離脱率の高いページを特定し、改善に活かせます。
- 顧客行動の追跡:購入までの過程を分析し、カゴ落ちや離脱のタイミングを特定できます。
- Google Search Consoleの活用
Google Search Consoleで、検索エンジンにおけるストアの表示状況を確認できます。
- 検索クエリの確認:顧客がどんな検索キーワードでストアを見つけたのかを把握し、SEO戦略の改善に活用できます。
- インデックスの状態確認:ストア内の各ページがGoogleに正しく登録されているか確認し、必要に応じて修正できます。
- クリック率(CTR)の改善:メタディスクリプションやタイトルを最適化して、クリック率を向上させられます。
GoogleアナリティクスでWebサイトへの訪問者の行動を分析し、Google Search Consoleで検索エンジンでの表示状況を確認することで、より多くのお客様を集め、売上アップにつなげることができます。
5.2 Shopify分析ツールの基礎と活用例
Shopifyには、ストア運営をサポートする分析ツールが標準で搭載されています。 このツールを活用すれば、お店の現状を正確に把握でき、データに基づいた具体的な改善策を実施できます!
- 基本機能の解説
Shopifyの分析ツールは管理画面からワンクリックでアクセスでき、ストアの状況を一目で確認できます。主に以下のような情報が見られます。
- 売上データの詳細確認:
- 日別・週別・月別の売上推移をグラフで表示
- 売上のピーク時期や傾向を簡単にチェック
- 訪問者とコンバージョンの分析:
- リアルタイムの訪問者数を確認
- 商品購入までの転換率(コンバージョン率)を追跡
- 商品分析レポート:
- 売れ筋商品のランキングを自動作成
- 在庫状況との連携データを表示
- 具体的な活用方法
- 売上予測を立てる:過去の売上データから将来の売上傾向を予測し、季節商品の仕入れやキャンペーン時期の設定に活用できます。
- 商品ページの改善:購入率の低い商品を特定し、商品写真の追加や説明文の見直しなど、具体的な改善アクションを取れます。
- 顧客層の把握と対策:年齢層や地域などの顧客データを分析し、それぞれの層に合わせた広告配信や商品提案が可能になります。
6. 集客を増やすための効果的な方法
ネットショップの売上を伸ばすには、お客様を集める方法を工夫することが大切です。ここでは、費用対効果の高い3つの集客方法についてご紹介します。
6.1 広告を使って素早く集客する
すぐに効果を出したい場合は、ターゲットを絞った広告配信がおすすめです。
- **広告の種類を使い分ける:**Google広告で「今すぐ買いたい人」を、SNS広告で「興味がある人」を集めることができます。
- **広告費用を効率的に使う:**サイトを訪れたことがある人に向けて広告を出すことで、より効果的に商品をアピールできます。
6.2 検索エンジン対策で安定した集客を目指す
長期的な視点で考えると、検索エンジン対策(SEO)が重要です。
- **魅力的な情報発信:**商品の詳しい説明や使い方のヒントなど、お客様に役立つ情報を提供することで、検索順位の向上と顧客満足度の両方を高めることができます。
- **サイトの技術的SEO対策:**検索エンジンがサイトを正しく理解できるよう、タイトルやページ構造、サイトマップなどの技術面での最適化を行うことで、検索結果での表示順位を向上させることができます。
6.3 SNSを活用した効果的な集客戦略
SNSは低コストで始められ、ターゲット層へ直接アプローチできる優れた集客ツールです。 Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSを活用することで、以下のような集客メリットが得られます。
- **商品の魅力を視覚的に訴求:**写真や動画を使って商品の特徴や使用シーンを効果的に紹介でき、潜在顧客の興味を引くことができます。
- 口コミによる共感の連鎖:「これ気になる!」と思わず共有したくなるような魅力的な商品投稿は、自然とフォロワー間で話題となり、新たな顧客層の開拓に繋がります。
- **リターゲティング広告との連携:**SNSでフォロワーを獲得し、そのユーザーに向けて効率的な広告配信が可能です。
7. まとめ
Shopifyの解約は「ストアの無効化」の設定で可能ですが、完全にストアを閉鎖する前に以下の選択肢を検討してみましょう。
まず、一時的な運営停止であれば「Pause and Buildプラン」を利用できます。また、売上不振が理由の場合は、プランのダウングレードで月額費用を抑えることも可能です。
解約を決める前に、以下のような改善策も検討することをおすすめします!
- 商品ページの内容充実
- カゴ落ち対策の実施
- 決済方法の見直し
- 集客アプリの活用
なお、解約や一時停止の手続きを行う際は、Shopifyアプリの購入状況や未払いのサービス料金を確認しましょう。
不明な点があれば、Shopify公式サイトのヘルプセンターやサポートにも相談することができます。