TikTokのプラットフォーム内でショップを開設できるTikTok Shopが「日本でも利用できるようになる」と話題になっています。
しかし、TikTok Shopが日本でも利用できるようになるとは聞いているものの、
「どのようなものなのか、いまいち分からない」
「どうやって始めればいいのかわからない」
という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、TikTok Shopとは何か、どのようなことができるのか、海外の成功事例などを解説しますのでぜひ参考にしてください。
TikTok Shopとは?
画像引用:https://seller-jp.tiktok.com/account/register
TikTok Shopは、TikTokのプラットフォーム内でショップを開設できる、今注目の次世代型EC機能です。
クリエイターの投稿動画やライブ配信を通じて商品の紹介・販売から決済まで、シームレスで多様な販促機能を搭載した全く新しいサービスです。
アフィリエイト機能などを活用することで、クリエイターとの連携を強化し、より効果的な商品プロモーションが可能となります。
TikTok Shopでできること
TikTok Shopで利用可能な機能は、以下の4つです。
- カート付きショート動画
- LIVE コマース
- ショーケース
- ショップタブ
各項目について詳細を解説していきます。
※仕様、機能などは継続検討中であり、予告なく変更される場合があります
カート付きショート動画
1つ目は、日常的に投稿されるショート動画コンテンツと商品販売を直接結びつける「カート付きショート動画」です。
クリエイターや企業は、作成したショート動画に商品へのリンク(商品タグ)を埋め込むことで、商品の販売につなげられる仕組みです。視聴者は、動画を楽しみながら、気になった商品をタップするだけで詳細ページへ遷移し、そのまま購入手続きに進めます。
例えば、ファッションブランドが新作アイテムのコーディネート動画を投稿し、動画内でモデルが着用している服やアクセサリーに商品タグを設定する、といった販促が可能です。これにより、視聴者は視覚的に商品の魅力を理解し、購買意欲が高まったタイミングを逃さずにアクションを起こせるようになります。
LIVE コマース
LIVEコマースは、TikTokでライブ配信を行いながら商品を紹介する機能です。
視聴者は、コメントによる質問を通じて配信者と直接コミュニケーションを取れます。そのため、視聴者の疑問や不安をその場で解消でき、安心して購入してもらうための信頼関係を構築しやすくなることが大きな特徴と言えるでしょう。
例えば、視聴者からの質問に答えながらメイクを実演して化粧品の紹介をすると、視聴者は商品の使い方や効果を具体的に理解できるため、購買意欲の向上に期待できます。インフルエンサーやタレントを起用したライブ配信は、そのフォロワーへの訴求力も加わり、大きな販売効果が期待できます。
ショーケース
ショーケースは、ブランドやクリエイターのプロフィールページから直接商品を購入できるデジタルな商品陳列棚です。
ユーザーが気に入ったクリエイターやブランドのプロフィールを訪れた際に、そのアカウントが販売している商品を確認して購入できる仕組みです。動画やLIVE配信で興味を持った視聴者が、後からゆっくり確認するための受け皿としても機能します。
例えば、カート付きショート動画やライブコマースで紹介しきれなかった商品を紹介して、アカウントに興味を持ってプロフィールを見に来た視聴者にアップセルやクロスセルを狙うなどの使い方が可能です。
ショップタブ
ショップタブは、TikTokアプリ内にあるEコマース専用のタブです。
視聴者は、TikTokのナビゲーションバーにある「Shop」のボタンから利用できます。TikTok内で利用できるオンラインショップとイメージすると分かりやすいかもしれません。TikTokユーザーが商品を検索した際に表示されるため、自社のTikTokアカウントをフォローしていない潜在顧客層に商品をアピールする機会を得られます。
また、TikTokのレコメンドシステムやショップタブのキャンペーン・プロモーション機能を利用可能です。
そのため、自社のアカウントをフォローしていない層へのアプローチがしやすい機能とも言えます。
TikTok Shopの海外での成功事例
TikTok Shopは、海外では既にサービスが提供されており、多くの企業が参入しています。
その中から、成功事例を2つ紹介しますので、参考にしてください。
Karaca
Karacaは、世界で7億5千万ドル以上の収益を上げている企業で、トルコや東アジアでは人気の家庭用品・調理器具ブランドです。
25歳から40歳のミレニアル世代やライブ配信コンテンツになじみのある若年層に対してブランド認知を高めることを目標にTikTok Shopに取り組みました。
TikTok Shopの活用により、以下のような成果を上げています。
- ライブ配信のみで11万3千ドルの流通取引総額を達成(1月と比べて2,500%の増加)
- ショート動画による流通取引総額が5万4千ドルを達成(1月と比べて191%の増加)
- 2025年の第1四半期には、フォロワー数が146%増加
Hair Syrup
Hair Syrupは、英国を拠点にさまざまな国へ向けてヘアシロップを展開しているヘアケアブランドです。
2020年にイギリスで起こったロックダウンを機に、TikTokに投稿した動画が60万回再生の動画となり、商品の購入が殺到しました。
TikTok Shopの活用により、以下のような成果を上げています。
- わずか2ヶ月でROASが10.9倍、有料キャンペーンで25万ポンド以上の収益が発生
- 6ヶ月間で7万件以上の注文を処理し、150万ポンド以上の売上を達成
- 2万5千件以上のクリエイターとのコラボレーションによりブランド認知を向上
TikTok Shopの日本でのローンチ予定
TikTok Shopは、2025年の夏~秋頃に日本で本格始動を予定しています。
本記事執筆時点では、米国、英国、スペイン、アイルランド、メキシコ、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、サウジアラビアなどの国でサービスが提供されています。
また、日本でのTikTok Shopのサービス開始に向けて、TikTok Shopと連携できる基幹システムやカートなどの開発も、さまざまな企業によって進められています。
TikTok Shopのはじめかた
TikTok Shopを利用するまでの手順を、8ステップで簡潔に説明します。詳細は、今後別の記事で紹介する予定です。
- TikTok Shopの規約を確認する
- TikTokのアカウント登録をする
- 基本情報を入力する
- 必要書類を提出する
- 銀行口座を登録する
- ショップの初期設定をする
- 商品を登録する
- TikTok Shopの機能を活用する
TikTok Shopの規約を確認する
はじめに、TikTokやTikTok Shopの規約を確認しましょう。
特に、自社が販売しようとしている商品が規制対象になっていないかを確認することが大切です。
例えば、TikTokではアルコールと未成年者が同時に表示されることを認めていません。
TikTokのアカウント登録をする
次に、TikTokのセラーアカウントを作成しましょう。
販売する国を選択し、メールアドレスや電話番号などを入力して登録します。
法人アカウントとして登録する場合は、会社の登記情報が必要になるので用意しておきましょう。
基本情報を入力する
アカウントを作成したら、Seller Centerの案内にしたがってショップの基本情報を入力します。
必要書類を提出する
基本情報を入力し終わったら、登録者の身元や会社情報を確認するための書類を求められます。
指示に従って、有効な確認書類を提出し、承認されるまで待ちましょう。
承認されなかった場合はメールが来るので、内容を確認して不備があった箇所を修正し、再提出してください。
銀行口座を登録する
審査が無事終わったら、ショップの売上を受け取るための銀行口座を登録します。
銀行名や支店名、口座番号、住所、連絡先などを画面の指示に従って正しく入力し、銀行口座を連携させましょう。
ショップの初期設定をする
各手続きを終えたら、ショップの初期設定をします。
初期設定が終わったら、これまで入力した内容に誤りがないかどうかも確認しておくことがポイントです。
扱う商品が販売禁止商品に指定されていないか、配送設定に間違いはないか、支払い情報に間違いはないかなどを確認します。
商品を登録する
最後に、販売する商品を登録します。
TikTok Seller Centerの「商品管理」から、商品の画像や動画、商品概要、キーワードなどを入力していきましょう。
TikTok Shopの機能を活用する
商品登録が終わったら、TikTok Shopの機能でカート付きショート動画を投稿したり、LIVEコマースを行ったりして、商品とブランド、アカウントを宣伝していきましょう。
TikTok ShopとECシステムを連携するには?
TikTok ShopとECシステムを連携するには、「CoreLink for TikTok Shop」がおすすめです。
このプロダクトは、TikTok Shopで販売をするための商品、在庫、受注データの連携iPaaSで、多数のカートや基幹システムに対応しています。
セラー用の管理画面でCSVのアップロードや手動での登録も可能ですが、スピーディな運用ができなかったり、作業時にミスをするリスク、商品数が多いとそもそもデータ連携をしないと無理な場合もあります。
「CoreLink for TikTok Shop」の連携予定カート/連携予定システムは次の通りです。
いち早くTikTok Shopに参入し、競合他社に差を付けるためにもデータ連携の課題はなくしておきましょう。
まとめ
TikTok Shopは、単なる新しい販売チャネルというだけでなく、これからのデジタルマーケティングとEコマースのあり方を大きく変える可能性を秘めています。カート付きのショート動画やLIVEコマースといった、TikTokの仕組みを活用した購買体験は、特に若年層を中心とした新しい顧客層への強力なアプローチ手段となり得ます。
また、ブランドの世界観を伝え、顧客との深い関係性を築く上でも、TikTokのインタラクティブな特性は大きな武器となるでしょう。
TikTok Shopと各種カート/基幹システムとの連携ができる「CoreLink for TikTok Shop」の詳細については、以下よりご覧ください。