ECサイトを構築するにはいくつもの手法があり、それぞれに特徴があります。
最も優れているものがあるわけではないため、どのやり方で進めるかお悩みの方もいるのではないでしょうか。
今回は数ある中でも、低コストで独自性の高いECサイトを構築できる「オープンソース」について、メリット・デメリットや、おすすめのサービス、支援してくれる企業などを紹介していきます。
「オープンソースでECサイトを構築したい」「どのようなサービスやサポート会社があるか知りたい」という方はぜひ最後までお読みいただき、参考にしてもらえるとうれしいです。
ECサイトの構築方法であるオープンソースとは
オープンソースとは、一般公開されているソースコードを使用してECサイトを構築する方法です。
オープンソースのプログラムは誰でも無料でインストール可能な場合がほとんどのため、低コストで自由にサイト構築ができるのが大きな特徴です。
オープンソース以外のECサイト構築方法は何がある？
オープンソース以外にもECサイトを構築する方法には次のようなものがあります。
ASP
ASPとは、Application Service Providerの略です。
クラウド上のプログラムにアクセスし、複数の事業者が共通のプラットフォームをレンタル利用してECサイト構築を行う方法です。
サーバーやネットワークの用意が不要のため手軽に利用ができますが、その特性上、機能やデザインには制限があります。
パッケージ
ECサイトに必要な機能がパッケージ化されているソフトウェアを利用し、サイト構築を行う方法です。
基本機能があらかじめ搭載されているため導入しやすく、自由に機能の追加やデザインの変更ができるなどカスタマイズ性が高いことが特長ですが、他の方法に比べると初期費用が高額となりやすい面もあります。
フルスクラッチ
フルスクラッチは、既存のサービスを使わずに一からECサイトを構築する方法です。
自由度が高く最も独自性を発揮できるのが強みですが、その分、開発期間が長くなり、メンテナンスも含めた費用の総額も非常に大きくなる可能性があります。
オープンソースCMSを利用する3つのメリット
ECサイト構築においてオープンソースを利用する具体的なメリットを3つ紹介します。
1. 費用を安く抑えられる事が多い
オープンソースは、先述のように無料で利用できるため、初期費用を抑えたECサイトの構築が可能です。
必要となる主な費用としては、サーバーやドメインの費用となります。
他の構築方法では、プロバイダの月額利用料や販売手数料がかかりますが、自社で開発・運営ができる場合はそうしたコストも不要となるため、大幅にコストダウンすることができます。
2. 拡張性が高く、自分好みのサイト設計が可能
既存のデザインや機能を使ってサイト構築する他の方法に比べて、オープンソースでは、直接ソースコードを編集するため、カスタマイズの自由度が高いです。
サイトのオリジナリティを高めて他社との差別化を図りたい場合にはおすすめです。
3. 構築作業を自分で行うことも可能
オープンソースでは一般公開されているソースコードを使用するため、自分で作業を進めることができます。
自力で作業を行うので、構築から完成までも比較的短期間で行うことが可能になります。
オープンソースCMSを利用する3つのデメリット
1. 専門性とスキルが必要
ソースコードを編集してECサイトを開発するには、専門的な知識と技術を備えた人材が欠かせません。
サイトの完成後も、運用やメンテナンスは自社で行うことになります。
オープンソースを利用したいがそうした対応のできる人員が不足している場合は、構築・運営をサポートしてくれる会社に依頼することによって解決が可能です。
2. セキュリティ対策を万全に行う必要がある
公開されているソースコードは、悪質な利用者も含む誰もが見ることができるものです。
そのため、オープンソースを使って構築したECサイトは、情報漏洩や不正アクセスの被害に遭う確率も高いといえます。
さらに、オープンソースでのサイト構築は、作業の段階で情報セキュリティ上の欠陥であるセキュリティホールも生じやすくなります。
オープンソースでサイト構築する際は、他の構築方法を用いた場合以上に徹底したセキュリティ対策が不可欠です。
3. 自社負担での運営が必要
オープンソースによるサイト構築は、自社でソースコードを編集し開発するため、サービス提供元からサポートを受けられるということがなく、自社負担で運営することになります。
トラブル等の発生時も自力での対処が必要です。
利用者の多いオープンソースではインターネット上に意見交換のできるコミュニティで情報収集もできますが、サポートとは性質の異なるもののため、問題が起きた場合は自社で解決することが前提です。
ECサイト構築向けオープンソースCMSおすすめ５選
オープンソースCMSではさまざまなサービスが提供されています。
ここでは特におすすめのものを５つご紹介します。
国内・海外発のものや、搭載されている機能、情報収集のしやすさなどそれぞれに特長があるので、自社にマッチするものはどれなのか、ぜひ参考にしてみてください。
1. EC-CUBE
国産のオープンソースCMS最大手ともいえるサービスで、導入事例は国内35,000店以上を数えます。
無料で利用できる日本製のオープンソースCMSとして日本語のマニュアルがあることに加え、インターネット上のコミュニティも大きいので情報収集も容易です。
基本機能の他にもSNS連携やデザインテンプレートなどの充実した機能が標準で備わっているので、使い勝手にも優れています。
2. Adobe Commerce（Magento）
現在はAdobe社の傘下にあるアメリカのMagento社発のサービスです。
多言語・多通貨に対応しているため、越境ECの構築に定評があり、事業を海外展開したい方にはおすすめのオープンソースCMSです。
英語・日本語・中国語など複数のサイトを一つの管理画面で管理でき、使いやすいと評判です。
海外のサービスであることから基本的には英語での対応が必要となる点に留意しましょう。
3. Welcart（wordpress）
無料でサイト作成のできるソフト「WordPress」をご存知の方も多いと思いますが、WordPressでECサイト構築のできるオープンソースCMSがWelcartです。
SEOに強いWordPressの特性を活かして、集客力の高いECサイトの構築ができるのが大きな特長です。
WordPressは世界中で広く利用されているため、使い方に関する情報が集めやすいのもおすすめのポイントです。
4. Zencart
海外産のオープンソースCMSですが、日本向けのカスタマイズも充実しています。
多言語・多通貨対応で日本で越境ECを運営するユーザーにはおすすめのサービスです。
セール機能やSEO機能を備えていることで、集客力にも強いサイトを構築できます。
5. Drupal Commerece
サイト作成のできるCMS「Drupal」向けのオープンソースです。
WordPressにおけるWelcartに近いサービスですが、豊富な拡張モジュールやデザインテーマによってカスタマイズがしやすいことがメリットとして挙げられます。
オープンソースでECサイト構築を支援している会社5選
オープンソースを使ったECサイト構築をしたいが、自社で行うのが難しいという場合には、サポート会社を利用するのも一つの方法です。
オープンソースでのECサイト構築を行なっているおすすめのサポート会社を5つご紹介します。
費用面や導入実績、利用サービスなどを比較して選んでみるとよいでしょう。
1. 株式会社メテオリレイ
EC-CUBEを利用し、初期費用最安10万円からという格安のプランを設けている企業です。
これまで3,00社以上での導入実績があり、低コスト・実績を求める場合にはおすすめの会社です。
2. WEBLOCO
WEBLOCO公式はこちら
愛知県にある企業で、最安14万9000円からECサイト構築を行なっています。
WordPress・Welcartを使用しており、WordPressでの構築を希望する場合にはおすすめです。
3. トエビス株式会社
EC-CUBEを使用しており、イーシーキューブ社から「プラチナパートナー」の認定を受けている企業です。
大手企業の実績があり、制作だけでなく運営コンサルティングや保守サポートも含めた総合的な依頼を行うことも可能です。
4. 株式会社プレイビット
オープンソース「Shopify」を利用したECサイト構築に強い会社で、Shopifyアプリを活用した外部連携も支援してくれます。
運用までワンストップで依頼したい場合にはおすすめです。
5. 株式会社アプリコットデザイン
デザイン面を重視したサイト構築に定評のある企業で、デザイン重視・戦略重視のプランの2種を用意しています。
完成デザインやイメージに明確な希望のある場合にはおすすめです。
カスタマイズ性を重視するならオープンソースはおすすめ！
オープンソースとは、一般公開されているソースコードを利用してECサイト構築をする手法です。
無料で利用できることで低コストでのサイト構築が可能な他、自分で開発を行うためカスタマイズの自由度に優れるのが大きなメリットです。
機能やデザインをカスタマイズしてサイトを構築したい場合には、オープンソースの利用がおすすめです。
一口にオープンソースCMSといってもさまざまなサービスがあるので、機能などを比較し自社に合ったものを探してみてください。
また、オープンソースを利用したサイト構築・運営には専門的な知識・技術を持った人員が必要となります。
自社で人材が用意できない場合には、サポート会社に依頼して進めてもよいでしょう。
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