「ECサイトのドメインはどう決めればいい?」
「ドメインはどうやって取得するの?」
ドメインについて、どう決めたらいいのかとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は言葉は知っているが、いまいちよくわからないことが多い「ドメイン」について、決め方、種類、取得方法について解説いたします。
ECサイトのドメインは、決め方のポイントを押さえればブランドの認知向上に役立ちます。
ECサイトのドメインをどう決めればいいかお悩みのかたは、ぜひ参考にしてください。
ECサイトのドメイン名の決め方!押さえるべきポイント2つ
ドメイン名は自由に決めることができます。ただ、SEO対策やユーザーへのサイトやブランドの認知を考えた場合、押さえるべきポイントが2つあります。
- 認知を狙うブランド名や店舗名を入れる
- シンプルで分かりやすいドメイン名にする
順を追って説明します。
認知を狙うブランド名や店舗名を入れる
ECサイトのドメイン名を決める場合、「ブランディング」を意識することが重要です。ブランド名や店舗名などをドメインに組み込めば、ユーザーからの認知を狙うことができます。
一部商品に焦点を当てたサイトの場合は、商品名を含めたドメインを取得することもユーザーからの認知の獲得につながります。
シンプルで分かりやすいドメイン名にする
SEO対策やユーザーの認知を考えると、短くシンプルで分かりやすいドメイン名の取得がおすすめです。ユーザーが覚えやすいドメイン名にすれば、再来店にもつながりやすくなります。
ドメイン名は63文字までの長さで設定できますが、長すぎると情報量が多くなり、ユーザーの認知からは遠ざかってしまいます。シンプルかつ短いドメイン名は取得済みのケースも多いですが、できる限り短くシンプルにする意識をもって決めましょう。
ECサイトの独自ドメイン取得方法
それでは、実際にどうやってドメインの取得を行うのか、手順を解説します。
ドメイン名を考える
特に短くシンプルなドメイン名は取得されている可能性が高いです。複数の候補を用意しておきましょう。
JPRS認定の事業者の中から申請先を選ぶ
JPRS(株式会社日本レジストリサービス)が認定したドメイン取得サービスを提供する事業者は、数多く存在します。時期によってキャンペーンを行っている事業者もあるので、特徴など色々と比較して申請先を選びましょう。
ドメイン名が使用できるかを確認する
選んだ事業者のサイトにアクセスし、ドメイン名が使えるかを確認します。第1候補が使用済みの場合は、用意した他の候補が使用可能か確認しましょう。
申込に進み、必要事項と決済情報を入力する
ドメイン名が使用可能と確認が取れたら、申込に進みます。必要事項や決済情報の入力を行い手続きを完了させましょう。
契約後は、更新に関する通知が届くようになります。利用を続ける場合は更新を行う必要があります。自動更新を設定すれば、更新忘れを防止できます。
ECサイトの独自ドメイン申請先
独自ドメインの申請先ですが、先述の通り、JPRS認定の事業者に申し込む必要があります。代表的な認定事業者を下記の表にまとめてみました。
URL | 主な事業 | |
GMOインターネット
「お名前.com」 |
https://www.onamae.com/ | ネット総合事業者 |
GMOペパポ
「ムームードメイン」 |
https://muumuu-domain.com/ | レンタルサーバー事業者 |
GMOデジロック
「バリュードメイン」 |
https://www.value-domain.com/ | |
さくらインターネット | https://domain.sakura.ad.jp/ | |
エックスサーバー
「Xserver Domain」 |
https://www.xdomain.ne.jp/ | |
PSI Japan | https://psi.jp/ | レジストラ専業者 |
ドメインの意味と種類
ドメインの決め方について解説してきましたが、ここからはドメインとはそもそも何かを解説します。
ドメインは、サイトがインターネット上のどこにあるかを判別する情報です。いわゆる「住所」のような役割を果たしています。
ドメインはどの部分のことを言うのか、URLとメールアドレスを例に見ていきましょう。
- URL
http://www.◯◯◯◯.co.jp
- メールアドレス
xxxxxx@◯◯◯◯.co.jp
どちらも「◯◯◯◯.co.jp」の部分がドメインです。
また、ドメインの種類ですが、ドメイン名の最後の項目「.com」や「.jp」の部分にあたる「TLD」の違いによって種類が分かれています。TLDは、トップレベルドメインの略称です。
代表的な3つの「TLD」を紹介します。
gTLD
「generic TLD」の略称である「gLTD」は、登録対象の限定がなく、世界中の誰でも登録できる特徴があります。ドメインごとに利用用途が設定されていますが、取得時の制約は特にありません。
ドメイン | 用途 |
.com | 商業組織用のドメイン |
.net | ネットワーク関連用のドメイン |
.org | 様々な組織用のドメイン(以前は非営利団体用) |
.biz | ビジネス全般用のドメイン |
.info | 情報サイト用のドメイン |
ccTLD
「ccTLD」のccは「country code」の略です。国や地域など、エリア別に割り当てられたドメインを指します。取得するには、所在地が該当の国や地域にあることが基本条件となりますが、一部例外もあります。
ドメイン | 国 |
.jp | 日本のドメイン |
.us | アメリカ合衆国のドメイン |
.uk | イギリスのドメイン |
.in | インドのドメイン |
.co | コロンビアのドメイン |
Infrastructure TLD
「Infrastructure TLD」はインターネットのインフラ用に用意されたドメインです。「.apra」のTDLが該当しますが、IPアドレスを用いてのホスト名調査での使用が多く、一般ユーザーが目にすることはあまりないTDLになります。
独自ドメインとは
独自ドメインとは、その名の通り、他に同じドメインが存在しない唯一のドメインのことを言います。法人、個人にかかわらず、任意の文字列を指定しての取得が可能です。取得し、更新を続ければ、自分専用のドメインとしてホームページやメールアドレスなどに活用できます。
独自ドメインと共有ドメインの違い
ドメインには独自ドメインの他に「共有ドメイン」というものがあります。
共有ドメインは、サービス運営会社が所有するドメインを複数ユーザーで共有して使用するドメインを指します。Amazonや楽天市場のようなECモールや個人ブログなどで使用されることが多く、設定や更新などの管理の手間がかからないメリットがあります。
ドメインは「住所」のようなものと説明しましたが、独自ドメインは「戸建ての住所」、共有ドメインは「集合住宅の住所」とイメージすると分かりやすいかと思います。
この2つを比べると、独自ドメインは、維持管理費用や更新・設定などの管理、知識が必要になります。共有ドメインは、無料のものも多く気軽に始められますが、規定に従っての運営が必要になるなど、縛りが出てくるデメリットがあります。
それでは、独自ドメインのメリット・デメリットを見ていきましょう。
独自ドメインのメリット
まずは独自ドメインのメリットについて解説します。
セキュリティ面
独自ドメインのメリットとして、まず挙げられるのがセキュリティ面で、データの暗号化「SSL」の導入のしやすさがあります。ユーザーの個人情報を守るためにも大切な要素です。またユーザーの問い合わせやサイトからの連絡メールアドレスに独自ドメインを使用すれば、安心感を提供できます。
集客やブランディング
集客やブランディング面でも強みがあります。シンプルで覚えやすいドメインにすれば再来店につなぐことができ、ドメインにブランド名もしくは店舗名を使用すればブランドの認知の期待も持てます。競合が共有ドメインを使用している場合には、差別化にもつながります。
SEO対策の面でも独自ドメインは共有ドメインと比べ、有利になります。共有ドメインの場合、元々のドメインパワーの強さがあり、恩恵を受けることはできますが、SEO対策の効果は限定的になります。HTMLソースコードの調整などの内部対策が柔軟に実施できないためです。独自ドメインではこれらの調整が柔軟におこなえるため、良し悪しにかかわらず、SEO対策の効果が最大限に反映されます。
独自ドメインのデメリット
つづいて独自ドメインのデメリットを見ていきましょう。
費用の発生
独自ドメインの取得には費用がかかります。年間数千円程度ではありますが、なるべく費用をかけずにECサイト運営を行いたい場合、利益が出るまではこの費用が負担になる可能性があります。
契約の更新
独自ドメインは一定間隔での更新を要します。「自動更新」の用意があるサービスが多いので、設定していれば心配はありませんが、更新を忘れた場合にサイトがなくなるリスクが発生が考えられます。
せっかくこれまで作り上げ、蓄積したものが0になってしまうことになりかねないので、注意しましょう。
集客対策
SEO対策で、柔軟な調整が取れると説明しましたが、これらは自分で行う必要があります。特に開設して間もない状態であれば、共有ドメインのようなドメインパワーはなく、集客に関する対策を行わなければなりません。広告やSEOの手段がありますが、広告は費用がかかり、SEOは時間と知識を要します。SEOは無料でも対策可能ですが、うまくいかない場合に外部に依頼するとなると、費用が発生してしまいます。
どこに力をいれていくか、中長期的な計画をたて、優先順位を決めて、対策を行いましょう。
サブドメインとは
サブドメインとは、独自ドメインをさらに分割するために設定するドメインです。
ドメイン例
◯◯◯◯.co.jp
上記のドメインでサブドメインを取得すると、
サブドメイン
xxx.◯◯◯◯.co.jp
となります。このように文字列が追加されたドメインがサブドメインにあたります。
楽天やYahoo!など、複数の事業展開を行う企業が取り扱う商材やテーマに合わせたWebサイトを運営する場合によく用いられています。
サブドメインとサブディレクトリの違い
サブドメインと混同しがちなものに「サブディレクトリ」があります。
サブディレクトリとは、ドメインの後ろの「/(スラッシュ)」で区切った部分のことをいいます。
「http://www.◯◯◯◯.co.jp/xxxx」の「/xxxx」の部分が該当します。
ただ、サブドメインとは全く役割が違います。
サブドメインは、サブではあるがドメインの一種であるため、独立したWebサイト扱いになります。その一方で、サブディレクトリは同じWebサイトの階層を区切る役割をもっており、Webサイトの下層ページにあたります。
メインサイトが親、サブドメインは親の兄弟、サブディレクトリは子供とイメージすると分かりやすいかと思います。
メインサイトとテーマが近い場合はサブディレクトリ、異なるテーマの場合はサブドメインを活用することをおすすめします。
ECサイトを長く運営するなら独自ドメインの取得は重要!
ここまでECサイトのドメインの決め方について解説してきました。
「共有ドメイン」と「独自ドメイン」の2つが存在し、構築するECサイトの目的によってどちらを選ぶかは変わります。それぞれにメリット・デメリットがあり、実際にどちらがいいかは一概には言えません。サイトをどのように運営するかを考え吟味する必要があります。
ただ、ECサイトの長期に渡る運営を考えているなら、自由度が高い「独自ドメイン」の取得をおすすめします。
また、ドメインを決める際は、下記の2つのポイントを押さえましょう。
- 認知を狙うブランド名や店舗名を入れる
- シンプルで分かりやすいドメイン名にする
ECサイト運営を成功させるためにも、紹介した手順やメリットデメリットを参考にしていただき、ドメイン名を決めてくださいね。
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