2026年6月17日(日本時間18日)に「Shopify Editions 26年春」が公開されました。今回で9回目となるプロダクトアップデートで、「Everywhere」をテーマに150以上のアップデートが発表されました。
昨年12月の Editions に続く流れで、今回もAI x ECの融合をテーマにした「エージェンティックコマース」に焦点が当たっています。Agentic Storefronts(AI販売チャネル管理機能)の実装や、Sidekickの進化、標準プランでのBtoBの開放、Campaign Autopilotによるマーケティングの自動化・効率化など注目すべき進化が目白押しです。
前回のこちらの記事では、テーマ「Everywhere」を中心としたShopifyの思想や全体像を考察しましたが、本記事では、数あるアップデートの中から、マーケティング機能のアップデートをピックアップして解説します。
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AIが広告運用を最適化する「Campaign Autopilot」

「Campaign Autopilot」という新機能が公開されました。これは、「誰に、いつ、どんな内容でマーケティングを行うか」をAIが考え、自動でキャンペーンを配信・改善してくれる仕組みです。広告施策の立案や予算配分、継続的な最適化までAIが担うことを目指しています。つまり、今まで人間のマーケターが時間をかけていた仕事をAIエージェントが代替するような動きになります。
たとえば、新規登録者向けのウェルカムメールやチェックアウト離脱者へのフォローメールを自動で作成・配信したり、Meta広告やShop CampaignsなどShopifyが対応するマーケティングチャネルを活用しながら、AIが施策の実行や改善を支援することが想定されています。キャンペーンの成果を分析しながら予算配分を見直し、改善を支援する点も特徴です。
現時点では早期アクセスプログラムとして提供されており、日本の事業者はまだ利用できません。しかし、広告運用の知識やリソースが限られている事業者でも、高度なマーケティング施策を実施できる可能性を示す機能として注目されています。Shopifyが目指す「AIが売上拡大を支援する世界」を象徴するアップデートの一つといえるでしょう。
Shopify公式ブログ – Campaign Autopilotのご紹介: Shopifyに組み込まれたAI搭載マーケティング
https://www.shopify.com/jp/blog/introducing-campaign-autopilot
売上変動の要因を分析する「Sidekick Pulse」

「Sidekick Pulse」は、ShopifyのAIアシスタント「Sidekick」に追加された分析機能です。売上や注文数などの重要指標に変化があった際、その背景にある要因をAIが分析し、分かりやすく説明し、改善につながるアクションを提案してくれます。Editionsのデモ画面では、「商品リストを完成させよう」というタスクが管理画面のホームに表示される様子が確認できます。
この機能により、EC担当者やマーケターは、「なぜ売上が伸びたのか」「なぜコンバージョン率が低下したのか」といった分析業務にかかる時間を削減し、「Sidekick」が示すインサイトや改善提案を参考にしながら、より迅速にマーケティング施策の実行・改善を進められるようになります。
Shopify公式ヘルプ – ホームカード
https://help.shopify.com/ja/manual/shopify-admin/shopify-home#home-cards
商品のバリエーション単位で公開できるように

これまでShopifyでは、商品の公開設定は商品単位で行う必要があり、同じ商品の色違いやサイズ違いの一部だけを販売チャネルごとに出し分けることは標準機能ではできませんでした。
今回のアップデートにより、商品のバリエーション単位で公開設定を行えるようになりました。例えば、「ブラックのみInstagram・Facebook販売チャネルで公開する」「新色だけShopアプリに掲載する」「BtoB向けカタログには大容量パックのみ表示する」といった柔軟な運用が可能になります。
EC事業者にとっては、人気商品のみを重点的に露出したり、在庫状況に応じて販促対象を切り替えたりしやすくなるため、広告効率の改善や機会損失の削減につながるアップデートといえるでしょう。特に、アパレルや雑貨など、バリエーション展開の多い事業者にとって恩恵の大きい機能となりそうです。
Shopifyヘルプページ – 商品バリエーションの公開と非公開
https://help.shopify.com/ja/manual/products/variants/publish-variants
まとめ
今回のEditionsを見ると、Shopifyは単なるECプラットフォームではなく、「AIが集客・分析・販促まで担うマーケティング基盤」へと進化しようとしていることが分かります。
特に、Campaign Autopilotによる広告運用の自動化や、Sidekick Pulseによる売上分析の支援は、これまで担当者の経験や勘に依存していた業務をAIがサポートする可能性を示しています。また、商品のバリエーション単位で販売チャネルを制御できるようになったことで、よりきめ細かな販促施策も実現しやすくなりました。
現時点では日本で利用できない機能もありますが、今後、日本市場への展開が進めば、EC担当者やマーケターの業務のあり方にも変化が起きそうです。
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