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【ECの顔 #04〜ガジェット編】「ギズ屋台」柏木さんインタビュー

「実際みんな、どうやってEC運営してる?」

専門用語が並んだ記事はいっぱいあるけれど、個人でECを立ち上げた人や、会社内でECを担当している人、現場環境の人がどうやっているのかは、意外と知られる機会の少ないECのお仕事。

そんなECのお仕事を、ネットショップの顔でもある、EC担当の方々の体験談を通して知ってもらうべく、”等身大のECカルチャー”をコンセプトとしたインタビュー企画、「ECの顔」を連載中。

第4回目は”ガジェット編”。日本最大級のガジェットメディア、”ギズモード・ジャパン”から生まれたセレクトショップ・ギズ屋台で、プロダクトマネージャーを担当されている柏木朋子(かしわぎ・ともこ)さんにお話を伺いました。

ギズモード発、ガジェット系EC「ギズ屋台」

-はじめに、柏木さんの担当されているギズ屋台について、お伺い出来ますか?

弊社がメディアを運営している「メディアジーン」という会社となりまして、国内最大規模のガジェットメディアである、”ギズモード・ジャパン”の運営をしています。ギズ屋台は、その編集部の知見やユーザーから集めた情報を元に、商品をセレクトしてガジェットを販売する、ECのセレクトショップとなります。(AnyMind Groupと共同運営)

ギズ屋台、公式オンラインストア。

ギズ屋台では、”国内外の多種多様なガジェットを取り揃えること”をコンセプトとして謳っているので、他で見たことがない商品や希少性のある商品、編集部が実際に使ってみて良かったものを中心にセレクトしています。

商品の一例を挙げると、ギズモード・ジャパン読者にも人気のあるAnkerのガジェットなどを扱っています。読者人気の高いアイテムを販売することで、メディアで記事を見ている方もスムーズに商品を手に取って頂けるよう、商品を取り揃えています。

Ankerをはじめ、優れた機能性を備えたガジェットが取り揃う。

-ガジェットを取り扱う一方で、アート作品も扱われていたことには驚きました。

アート作品の「GRID」は、ショップの”屋台”という名前の通り、掘り出しものや面白いものを提供したいというコンセプト観点から、セレクトした商品になります。ゲーム機やiPhoneを飾ったアート作品自体が珍しいということもあり、ギズ屋台の中でもトップクラスの人気商品です。

アート作品「GRID」。往年のゲーム機やスマホを分解して額装している。

GRIDのようなコンセプト軸のセレクトと、Ankerをはじめとした弊社メディアで人気の高いアイテムのセレクトと、両軸で商品の仕入れを行っています。その両軸によって、商品に振り幅が出ているのかなと。

ウェブメディアの経験を経て、ECの世界へ

-柏木さんは、ギズ屋台でどのようなお仕事を担当されていますか?

私は新規事業やコマースを立ち上げる部署に所属しておりまして、ギズ屋台ではプロダクトマネージャーを担当しています。ブランドやショップの成長をどう作っていくかを考える役割ですね。

-ECはどのような体制で運営されていますか?

ギズ屋台は外部パートナーであるAnyMind Groupさんと2社共同で運営しており、商品登録をはじめとしたEC運用の実務は、パートナーの方々にご協力頂いてます。弊社側では主にマーケティングやブランディングを担当していて、分析や戦略を考えるパートは私含めて2名、編集部チームは3名ほどで担当しています。そこにEC運用チームがプラスするイメージです。

-柏木さんの過去の経歴を教えて頂けますでしょうか?

私が勤めている「メディアジーン」のグループ会社が、ウェブ制作や戦略提案を行う「インフォバーン」という会社で、そこに新卒で入社しました。はじめはウェブディレクターとして、企業のオウンドメディア制作や運用を担当して、その後メディアジーンに異動した感じですね。

-異動されてからはどんなお仕事を担当されていたのでしょうか?

異動してしばらくは、自社のウェブメディア運用を担当をしていました。結構色々なメディアを担当しまして、「ギズモード・ジャパン」と「Business Insider Japan」以外は、全て携わったのではないかと…。

中でも、「MYLOHAS※」というメディアは長い間担当していました。(※現在はROOMIE KITCHENとしてリニューアル)その時に、サプリメントのECを立ち上げから担当したことがあり、それをきっかけに今に至りました。

-そこからギズ屋台の担当へと移行された感じなんですね。

そうですね。そのサプリメントECの立ち上げが、当時メディアジーンとしては初めて自分たちで運営するD2Cブランドでして、その後にコマース事業部が新設して、ギズ屋台の立ち上げに至りました。改めて振り返りながら思いましたけど、ECを担当してから意外と経っていたんですね(笑)

販売前に必ず自分たちで商品レビュー

-”ガジェット”を扱うECとして、こだわっているポイントはありますか?

”商品セレクト”が一番のこだわりでもあり、反面難しい部分でもあるなと思います。ガジェットならではかもしれませんが、品質がピンキリなところが多々ありまして。ギズ屋台では海外製品も仕入れていますが、海外製の商品は特に、実際に自分達で実物を見て、使ってみるとかをしないと、思っていた感じと全然違っていたりとかがあります。

あと、ギズ屋台はギズモード・ジャパン読者の購入が多いのですが、読者の方々はすごくリテラシーが高くて、ガジェットに対する想いが強いんです。その期待されているクオリティにちゃんと応えていけるように、商品セレクトとブランドづくりは、特に力を入れているポイントです。

-商品セレクトの質を上げるためにされていることはありますか?

基本的には商品を販売する前に、自分たちで実際に商品を使ってレビューをするようにしています。あとは、ユーザーのニーズとマッチさせるという点で、ギズモード・ジャパンの記事で良く見られているものや人気があるものを、優先的に仕入れることは結構あります。

品名がない?ギズ屋台流・品名欄の使い方

-本来商品名が入る品名欄に、独特な商品キャッチが入っていますが、こちらはどなたが作っているのでしょうか?

編集部が作ったものですね。元々、ギズモード・ジャパンの記事として掲載した記事からタイトルを抜粋して、商品ページのキャッチとしても使うことが多いです。キャッチだけで商品のストーリーが伝わればいいなと思っているので、品名より商品のキャッチコピーを載せるイメージで作っています。ギズ屋台らしさを出すために、こだわっているポイントのひとつですね。

商品の特長が一瞬で伝わる品名欄。キャッチのみで品名がない商品も。

-限られた文字数の中でも特長が巧みに要約されていて、とても分かりやすいですよね。商品ページに掲載されているレビューも、メディア側で掲載されていた記事なのでしょうか?

そうですね。基本はギズモード・ジャパンで商品を紹介して、そのレビュー記事をECサイトの方にも載せ、商品説明を補強するような建て付けにしています。

商品ページの下には、ギズモード・ジャパンで掲載されたレビュー記事が紐づいている。

EC運営での「苦労と成功」

-EC運営で苦労されていることはありますか?

いっぱいありますね(笑)一番は商品の仕入れで、「これは絶対当たるだろう」と思って仕入れた商品が、思いのほか当たらなかった時とか。セレクトショップなので、どういうものを扱うかという仕入れ部分は、楽しくもあり、最も難しいところでもあるなっていうのは、本当に思いますね。

-仕入れ判断は本当に難しいですよね。ギズ屋台の場合、メディア側で紹介する商品幅がとても広いので、商品のセレクト基準を決めるのは難しくないでしょうか?

基準を言語化するのが難しいんですよね。何回もみんなですり合わせをしていますが、そこの悩みは絶えないです。”他で見たことがない商品”というコンセプトで言うと、例えば「Amazonにいつも販売している商品はなるべく取り扱わない」といった風に、具体例を出すことで分かりやすく言語化するとか。当然例外はありますが、そういう小さい共通認識を重ねていくことが必要なのかなと。

逆にEC運営で成功したことで、どんなことがありますか?

やっぱり商品がヒットした時ですね。最近だと「EARPEACE」という睡眠や音楽に特化した耳栓が大好評でした。実際に記事で紹介をした時にも人気だった商品なんですよ。

不要な音のみ遮断し、必要最低限の音は拾う耳栓「EARPEACE」。

その他では、冒頭で紹介した「GRID」は、ギズ屋台として継続的に人気の商品です。価格が2〜3万円と若干高めではありますが、既に100台近く販売しています。

-高単価の商品を、継続的に売るコツはあるのでしょうか?

明日すぐに必要ではないもので、かつ高単価な商品って、”買う・買わない”の決断をしにくいと思うんです。そのため、一度ではなく定期的に自社のウェブメディアで紹介をして、その決断の機会を増やしてもらうようにしています。

「GRID」のように嗜好性が高い商品は、決断をしにくい反面、勢いで購入する方も多いので、ブランド力によって欲しいと思ってもらえるような見せ方を、EC側でもメディア側でも意識するようにしています。

発信者の”顔”が見えるEC

-柏木さんが個人的に「ここ面白いな」と思うECサイトはありますか?

色々あるのですが、「北欧、暮らしの道具店」は結構見ています。ギズ屋台がメディアスタートのECということもあり、メディア側でストーリーを伝え、それを読んだ読者の方々が購入してくれる。そういう建て付けを作りたかったので、モノとストーリーがしっかり紐づいたサイトだなと。最初から商品目当てでサイトに訪れる方、記事きっかけでなんとなく欲しいと思ったものを買われる方。その両軸が成り立っているサイトの作り方は、ギズ屋台の立ち上げ当初、参考として見ることが多かったです。

-色々なサイトを見られているとのことですが、他にも気になるサイトはありますか?

アプリにはなりますが、最近は「クックパッドマート」を見ています。生鮮食品が買えるECで、各商品ごとに販売者のコメントが表示されるようになっていて。例えば、魚屋さんが「今日のスズキは300円、ここから買えます!」とコメントしているように、販売側の発信が見える形になっていて、よりお客さんと近しいコミュニケーションを取れる設計になっているのがすごいなと思って見ていました。

-ユーザーとの関係性を構築する上では、個人の言葉や発信を活用して、距離を近づけることもポイントとなってきますよね。

ジャンルこそ違いますが、ギズ屋台と通じないこともないなと思っているんです。ブランドという見られ方になると、壁があるというかユーザーとも遠くて、信頼を得るのがどんどん難しくなっていくのかなと。だからこそ、メディアコマースをやっているというのもあるのですが。個人からの発信の方が受け入れられる今だからこそ、発信者の顔が見えるようなコミュニケーションは、ギズ屋台でももっと増やしていきたいなと思っています。

-最後に、お知らせがあれば教えて下さい!

ギズ屋台では、日々新しい”掘り出し物”を展開中です!定番の「GRID」シリーズはもちろん、暑い夏を乗り切るためのグッズとして手のひらサイズのポケットファン「SPICE OF LIFE」や冷却プレート搭載の扇風機もおすすめしたい商品です。

また、メディアジーンではギズ屋台を含むEC全般のマーチャンダイザーを募集中です。記事からご興味を持たれた方がいらっしゃれば、こちらもぜひご確認ください。

無難な買い物に飽きてしまった方、どうぞふらっと屋台にお越しくださいませ。

[ギズ屋台 公式オンラインストア]

編集後記

メディア出身からECへと活動領域を広げられていた柏木さん。今回はギズ屋台中心のお話でしたが、実は他にも複数のEC事業を担当されているとのこと。(1つや2つの話ではなさそうでしたが、どうやって成立されているのかが気になります…!)ご多忙な中、取材にご協力頂きまして、ありがとうございました!

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