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アパレルECサイトの市場規模は?トレンドや課題と合わせて徹底解説

「アパレルECサイトの現在の市場規模はどれくらい?」

「コロナ禍が落ち着きアパレルECを取り巻く環境はかわるのか?」

上記のようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

コロナ禍が落ち着き、店舗の売上が回復しつつある状況で、ECサイトはコロナ禍の時期ほどの売上の伸びではありませんが、堅調な成長を見せています。

この記事では、アパレルECサイトを取り巻く状況を市場規模から紐解き、トレンドやアパレルECサイトの課題についても解説します。

これから、アパレルECサイトの運営を始めようと考えている方や、実店舗をすでに持っており、販売チャネルを増やすためにアパレルECサイトの開設を考えている方はぜひ最後まで読んでください。

アパレルECサイトとアパレル業界全体の市場規模

2020年には、新型コロナの影響により、世界・日本経済にかなり大きなダメージがありました。ロックダウンや外出自粛があり、特に対面での販売業は非常に厳しい場面に直面し、ファッション・アパレル店舗も実店舗での販売の状況が苦しくなっていきました。

これらの煽りを受け、店舗よりもECサイトの売上が大きくなった店舗も出てきていました。

では、コロナ禍の落ち着いた現在、市場規模がどのように変化しているのかを見ていきましょう。

アパレルECサイトの市場規模は右肩上がりで成長

経済産業省が取りまとめた令和3年度の電子商取引に関する市場調査報告書の54ページのデータを参照すると、2021年のアパレルECサイトの市場規模は2兆4,279億円となっており、前年比9.35%の伸び率となっています。EC化率は21.15パーセントで、2019年度の13.87%から7.28%上昇しました。

2020年の市場規模は2兆2,203億円、伸び率が前年比の16.25%、EC化率は19.44%となっており、コロナ禍を受け市場規模、EC化率ともにめざましい成長を見せました。

矢野経済研究所によると、2021年にはコロナ禍の規制緩和によって、百貨店や専門店などの実店舗の売上が回復傾向にあり、EC販売の売上の伸びは鈍化しているとのことです。

とはいえ、依然堅調な成長を見せるアパレルECサイト市場。今後は、販売機会損失を防ぐため、ECと実店舗の連携、いわゆるオムニチャネル化が一層進むとみられます。

アパレル業界全体の市場規模は縮小

矢野経済研究所のプレスリリース「国内アパレル市場に関する調査を実施(2022年)」によると、2021年のアパレル全体の市場規模は7兆6,105億円、前年比は101.3%とわずかではありますが、前年より回復しました。

やはり、コロナの規制緩和があり、店舗へ足を運ぶ人が増え、実店舗の売上が伸びたことが影響しています。

アパレル市場の全盛期は1980年代後半から1990年代前半、いわゆるバブルの時代です。1990年の市場規模は10兆を超えており、婦人服が市場の60%を占め、高級ファッションが好まれる傾向にありました。

ただ、バブルが弾け、国内の景気は低迷していきます。高級品は売れにくくなり、多くのメーカーが低価格戦略へと転換。2000年に入ると、ファストファッションが台頭し、リーズナブルかつ機能性を兼ね備えた商品が好まれるようになっていきます。

全盛期と比べると、市場規模は縮小が進んでいます。国内の人口減少問題もあり、継続的な市場の成長に期待をよせるのは厳しい状況といえるでしょう。ただ、前章でも述べましたが、アパレルEC市場は堅調な成長をみせています。

アパレル市場は今後も縮小傾向ですが、ECとリアル店舗を連携させ、販売機会の損失を軽減する動きが活発になるとみられています。

アパレルECサイトのトレンド

アパレルECサイトのトレンドは時代や環境など、さまざまな要因により変化しています。

特にコロナ禍を経験し、消費者がオンラインでショッピングする機会が増え、それに伴い、EC事業に参入するアパレル企業も増えました。

そんなアパレルECのトレンドをみていきましょう。

  • サステナブルファッション
  • ライブコマース

順を追って解説します。

サステナブルファッション

現在多くの業界がSX(サステナビリティー・トランスフォーメーション)の取り組みを推進しています。アパレル業界でも、衣料品のリサイクルやリユース素材を使ったアパレル商品の販売などに取り組む企業が増えています。

アパレル業界は、ファストファッションの流行により、大量生産・大量消費が主流で、その分商品の廃棄も大量に発生していました。

ただ、2015年には国連でSDGsが採択され、消費者のサステナブルに対する意識が高まりを見せています。持続可能な社会の実現のため、製品・資源をできる限り長く保ち、廃棄を最小限に抑え、資源を循環させることが求められるようになりました。

2021年には伊藤忠商事やゴールドウイン、ユナイテッドアローズなど11企業が、サステナブルなファッション産業の推進を目的とした「ジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)」を立ち上げており、サステナブルファッションへの取り組みは、より一層進んでいくでしょう。

ライブコマース

ライブコマースとは、ライブ配信を活用して商品をアプローチし、リアルタイムでユーザーと交流しながら商品を販売する方法です。

自宅にいながらも実店舗での接客に近い体験ができ、ユーザーが質問し、配信者が回答する双方向のやり取りが可能なため、ユーザーに安心感と満足感を与えることができます。

また、画像やテキスト説明だけでは伝わりづらい商品のディテールや商品化に至ったストーリー、実際のコーディネート、生産者の想いなどをさまざまなことを伝えられます。

有名なスタイリスト、ファッションモデル、インフルエンサーとコラボレーションして商品のPRライブ配信を行う企業も増えています。

ライブ配信のアーカイブを残しておけば、見逃したユーザーにもアプローチすることができます。

アパレルECサイトにある5つの課題

コロナの影響で需要が増したアパレルECサイトですが、さまざまな課題もあります。

  • 右肩下がりが続くアパレル市場の売上
  • 実店舗の利便性の高さ
  • 難易度が高いサイズ選び
  • 自社ECサイトの集客力
  • フリマアプリなどのCtoC市場の台頭

上記5つの課題を順番に解説します。

右肩下がりが続くアパレル市場の売上

アパレルECサイトとアパレル業界の市場規模でも紹介しましたが、アパレル業界の市場規模はバブル期に全盛を迎え、バブルが弾けてからはずっと右肩下がりで推移しています。

市場規模の縮小の原因としては、「バブル崩壊に伴う景気の低迷」があります。景気が低迷し、デフレが進んだため、多くの企業が低価格の戦略に方向転換しました。その結果、消費者がアパレル商品にお金を使わなくなった背景があります。

少子高齢化も進み、市場の縮小の歯止めが立たない状況が続いています。

国内需要だけでなく、海外の需要の取り込みが対策として有効です。コロナ禍が落ち着き、訪日する外国人が増えており、インバウンド需要は急速に回復しています。越境ECに参入する企業も増え、大きな成果を上げている企業もあります。

越境ECに挑戦する際は、市場の大きいアメリカや中国などの国を選び、現地の大手ECモールに出店するなど、徐々に規模を大きくしていく方法をおすすめします。

実店舗の利便性の高さ

経済産業省がまとめた、「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業の報告書」によると、日本のアパレル店舗1店舗あたりの人口が904人であることに対し、アメリカは2,274人、イギリスは1,624人となっています。

この事実を見てわかるとおり、日本では実店舗の普及が進んでおり、店舗へのアクセスの良さがあるため、アメリカ・イギリスと比べ、EC化率は低い傾向にあります。

実際に商品の質感やサイズ感を確認しないと購入したくないと考える消費者も多くおり、コロナ禍前までは、実店舗での販売が主流でした。

しかし、コロナ禍で外出自粛などの規制が入り、ECサイトの需要が伸び、販売傾向が少しずつ変化しています。withコロナの時代になり、これからは、ECサイトと実店舗のシームレスな連携に重きを置いたオムニチャネル戦略が成長の鍵となりそうです。

難易度が高いサイズ選び

アパレル商品は、実際に商品を手に取り、サイズや質感を確認しての購入が主流でした。

ECサイトの場合、実際に触れての商品の確認はできず、サイズ選び、素材の質感など判断が難しい要素が多くあります。とくにサイズ選びが大きなハードルとなり、オンラインでの購入をためらう人は多くいます。

ただ、ここ数年で、サイズの問題をテクノロジーを駆使して、オンライン上で解決するサービスを提供する企業が増えています。最も有名なものの一つに、ユニクロの「MySize ASSIST」があります。いくつかの質問に答えていくとおすすめのサイズ提案を行ってくれます。

他にも動画を活用して、商品の着用感やコーディネートを見せるコンテンツを提供したり、さまざまな工夫を用いて、購入しやすい環境作りを行うECサイトが増えています。

自社ECサイトの集客力

アパレル業界ではZOZOTOWNやAmazon、楽天市場といったECモールの集客力が強く、活用することで、一定の集客の見込みが立ちます。特に、開設したばかりのブランドや認知度が低い企業は最初にECサイトを構築するより、まずはECモール出店からスタートするほうが、売上が伸びやすい傾向があります。

ただ、ずっとECモールに頼った運営を行っていると、いざ自社ECサイトを運営しようとなった時に、自社ECサイトの集客力が上がらない可能性があります。ECモールの集客力が強すぎるためです。

ECモールの集客は、モール内からの検索での流入がほとんどです。また、ECモールは競合も多く出店しており、価格競争に巻き込まれることも考えられます。場合によっては、ふとしたことで規約に触れてしまい、一時的にECサイトが停止となるようなことも起こり得ます。もし、このような不測の事態が起こった場合でも、自社ECサイトが育っていれば、販売が滞らずに済みます。

ECモールの売上は確保しつつ、自社ECサイトの集客・売上も伸ばすことが理想的です。

自社ECサイトは、構築するだけで集客ができるというものではないです。さまざまなマーケティング施策に取り組む必要があります。

  • Web広告の活用
  • SEO対策
  • SNSでの発信やインフルエンサーマーケティング
  • ECサイトのメディア化

などが、有効な施策として挙げられます。

フリマアプリなどのCtoC市場の台頭

ここ数年で、フリマアプリなどCtoC市場が一気に台頭してきました。一次流通であるアパレルの市場が衰退する原因になるのではないかとの懸念があります。

特にメルカリが登場してからの発展は目を見張るものがあり、CtoCの市場規模は2021年には2兆円を超える市場規模になっています。

アプリを通して、ユーザーは低価格で商品を手に入れることができるようになり、いわゆる二次流通市場が形成され、一時流通市場に影響が出ています。

ただ、フリマアプリの売り手ユーザーは、アパレル商品を売った売上を用いて新商品を購入する行動をとる傾向があり、実は、一次流通と二次流通の間で相互補完関係が成立しています。

このユーザーの動きを注視し、メルカリは、メルペイを開発しました。ユーザーがメルカリ販売で得た売上金を、メルペイ決済導入店舗やアパレルECサイトで直接支払いに使用できる決済サービスです。

もし、自社ECサイトで取り扱っている商品が、メルカリで流通している場合は、メルペイ決済を導入し、相互補完関係を作っておきましょう。

アパレルECサイト売上ランキングと成功事例

最後に、2021年度のアパレルECサイトの売上ランキングと成功事例を紹介します。

順位 企業名 売上高(億円)
1位 ユニクロ 1,269
2位 ベイクルーズ 545
3位 アダストリア 538
4位 オンワードホールディングス 415
5位 TSIホールディングス 406

成功事例として、今回はこの上位5つの企業を紹介します。

ユニクロ

ユニクロ

ユニクロ

言わずと知れたファストファッションのパイオニア、ユニクロが1位です。2位以下に倍以上の差をつけています。

ユニクロのECサイトは、実店舗とECサイト、アプリの連携を徹底したオムニチャネル戦略が功を奏しています。

2017年には、オムニチャネル化の発表をしており、実店舗の在庫情報やユーザーのデータを収集・分析し、データを基にした商品開発や在庫管理を実現しています。

また、アプリを会員証として利用したり、アプリ限定のクーポンを配信し、実店舗に来店誘導するなど、スマホアプリにも力を入れつつ、店舗・ECサイトとの相互送客を行っています。

他にも、「MySize Assist」によるサイズ診断や商品の提案機能などさまざまなサービスを展開しています。

ベイクルーズ

ベイクルーズ

ベイクルーズ

2位はベイクルーズです。

ペイクルーズはグループ会社で、アパレル業と飲食業を中心とした事業展開を行っています。アパレルは、メンズ・レディースとも、少し単価が高めの商品を取り扱っています。

特徴として、ECサイトはグループ総合での運営をしており、スタッフのコーディネートスナップ写真や特集記事、ブログなどさまざまなコンテンツが盛り込まれています。

ベイクルーズもオムニチャネル化に力をいれており、数多くのブランド店舗とECサイトのシームレスな連携運用を行っています。現在は、店舗とECサイトの両方を利用するユーザーが増え、大きく売り上げが伸びる結果がもたらされました。

アダストリア

アダストリア

アダストリア

3位はアダストリアです。

アダストリアもファッションや生活雑貨商品を取り揃えており、niko and…やGLOBAL WORKなどのブランドを運営しています。

Instagramのライブ配信を活用したオンライン接客やスタッフのスナップ写真、レビューポイントのキャンペーンを行ってのレビュー収集などを行い、売り上げを伸ばしました。

トレンドでも紹介したライブコマースを取り入れており、リアルタイムでのユーザーの疑問解決やスタイリングの紹介を行い、実店舗と遜色ない接客を提供しています。

オンワードホールディングス(ONWARD CROSSET)

オンワードホールディングス

4位はオンワードホールディングスです。

総合アパレル企業で、紳士服・婦人服の他に、スポーツやカジュアル分野の取り扱いもあります。

2030年度までにEC化率5割超えを目標としており、自社のメンバーズ会員を中心にアンケートを実施し、ユーザーが欲しいと思うサービスの提供に注力しています。

TSIホールディングス(MIX.tokyo)

TSIホールディングス

5位はTSIホールディングスです。

メンズ・レディース両方取り扱いがあり、STUSSYやnano universeなど、少し単価の高いブランドが多めです。

既存顧客のロイヤルカスタマー化による、囲いこみ戦略に特徴があります。

購入実績に合わせた会員ランクを導入したり、受注会や展示会、オンライン限定のカスタムオーダができたり、ロイヤルカスタマー向けのサービスが充実しています。

アパレルECモールはZOZOTOWNが圧倒的に強い

アパレルECモールでは、ZOZOTOWNが他を圧倒するシェアを占めています。

初回での購入時に、困っているユーザーにチャットで対応したり、すぐにはお金が払えないが、商品は欲しいというユーザーに向けての支払い方法「ツケ払い」を設置したりと、購入のハードルを下げる工夫が多く見受けられます。

グループ会社が運営するWEARも多くのユーザーがダウンロード・活用しています。コーディネートで気に入ったアイテムがあれば、そのままZOZOTOWNで購入できる仕組みがあり、売上アップに繋がっています。

新しいサービスやテクノロジーをいち早く取り入れ、試行錯誤した結果、高いシェアの獲得に成功しています。

市場は縮小傾向だがアパレルECは成長の見込みあり

ここまで、アパレルECサイトの市場規模やトレンド、課題について解説してきました。

アパレル市場は全体でみると縮小傾向にありますが、アパレルECは堅調な成長を見せています。

コロナ禍が落ち着いた今、アパレルECサイト運営で取り組むべき施策は、実店舗やアプリとの連携によるオムニチャネル化です。

またアパレルECサイトのトレンドは時代に合わせて変わります。臨機応変な対応、サービスが展開できるよう努めましょう。

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