顧客LTVを最大化し、ECサイトの成功を強力にサポートする「定期購入(サブスクリプション)」。Shopifyを運営している店舗の方々や、これからECサイトを運営しようとしている方の中には、自分のECサイトに定期購入機能の導入を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はShopifyのアプリストアで公開されている6つのサブスクアプリの使い方について解説・比較していきます。
そもそもサブスクとは?
ECサイトにおける「サブスクリプション(サブスク)」とは、「定期購入」というビジネスモデルを指します。
衣服や食品といった商品を単品で買い切るのではなく、月ごと・週ごとと、一定期間ごとに定期的に商品が届くような購入の仕方を「サブスク」と呼びます。
サブスクのメリット
では、なぜ今サブスクが注目されているのでしょうか。
サブスクには事業者へのメリットと消費者へのメリットが両方あります。
事業者へのメリット
事業者へのメリットは以下の通り。
- 継続的な売上が安定する
- 数字で明確な指標を持てる
- ユーザーの利用ハードルを下げられる
サブスクの事業者へのメリットは、「売上・経営の安定化につながる」というところになるかと思います。
特に、2023年にはクッキーが使えなくなり、効率的に広告を配信することができなくなることで、新規顧客を獲得するためのコストが上がると予想されています。そのため、事業を安定させるには、新規顧客の獲得はもちろん、既存顧客のLTVを向上させることも重要になっていきます。
今のうちから顧客のLTVを上げるための施策=サブスクリプションを導入しておくことも、非常に重要な経営判断になってくるでしょう。
消費者へのメリット
- 割引などでお得に買える
- いちいち注文をしなくてもいい
- 在庫切れの心配がない
消費者へのメリットは、金銭面と「欲しい時に手元にある」という点になります。
サブスクを利用したことのある方はご存知かと思いますが、サブスクの場合単品で買うよりも安く買えることがほとんど。
また、単品購入では欲しい時に届かないことも。配送にはどうしても時間がかかってしまいますし、人気の商品だと売り切れてしまうこともあります。また、店舗側の都合で過剰に在庫を抱えることができないこともしばしば…。定期購入であらかじめ購入日を予約しておけば、在庫切れで商品が届かないこともありません。
Shopifyで定期購入を実施するには?
Shopifyで定期購入を実施する方法は、
- Shopifyアプリをインストールする
- サブスクリプションAPIを使う
この二つのどちらかになります。
Shopifyアプリをインストール
Shopifyで定期購入を実施するには、Shopifyアプリをインストールすることが最も効率的です。
コードを自分でいじる必要がなく、スムーズに導入することができるからです。
半年ほど前までは、日本製のサブスクアプリはなく、多くの店舗が定期購入の導入に非常に苦労していました。
しかし、2021年2月にハックルベリーより初の日本製サブスクアプリである「定期購買」アプリがリリースされたことを皮切りに、現在では4つの日本製サブスクアプリが登場しています。
サブスクリプションAPIを使う方法
サブスクリプションAPIを使う方法は、あまりおすすめできません。
というのも、サブスクリプションAPIを使う方法、というのはShopifyから提供されているサブスクリプションを実施するための機能を組み合わせて、自分のストアに実装すること。これは、言い換えれば「自分でShopifyアプリを作る」ということです。
コードを書けない人にはそもそも難しいですし、高い技術を持っていたとしても、よっぽどの理由がない限り既存のアプリを使った方が良いでしょう。
実は、このほかにも「外部サービスを使う」という方法も方法もあるのですが、「計測がしづらい」「管理が難しい」など、さまざまな理由から今はほとんど使う理由がない手段となっています。
日本製サブスクアプリと海外製サブスクアプリの違いは?
日本製と海外製、どちらのアプリを選ぶかは、悩むポイントかと思います。
結論としては、日本製のアプリをお勧めします。
海外製のアプリはほとんどの場合、日本語対応していません。
店舗側が操作する管理画面はもちろん、お客様に表示されるマイページなども日本語対応していません。
たとえ翻訳アプリなどを使って日本語に変換できたとしても、どこかぎこちない言葉使いになってしまうことがほとんど。サイト内の文言がぎこちないと、お客様に「このサイト怪しいかも?」という印象を持たれてしまう可能性があります。
さらに細かい点では、例えば住所入力においても、郵便番号が最後尾にきてしまうなど、日本の商習慣と合わずに、お客様にとって「使いづらい」と思われることが少なくありません。
もちろん「全ての海外アプリが使いにくい」と、一概には言えないため、今回は以下の4つの点を日本製アプリはもちろん、代表的な海外アプリ2つも交えて徹底的に比較していきます。ぜひご参考になさってください。
- 機能面
- サポート面
- 費用面
- 口コミ・実績面

比較①機能面
やはり最も重要なのは機能面。
それぞれどんな機能が実装されているのか、解説していきます。
新規顧客獲得のために必要な機能
定期購買 | Mikawaya Subscription | Nocode Subscription | SENGIEN | Bold | Recharge | |
初回割引 | ○ | ○ | ○ | ー | ー | ー |
サンプル機能 | ○ | ー | ○ | ー | ー | ー |
解約防止のために必要な機能
定期購買 | Mikawaya Subscription | Nocode Subscription | SENGIEN | Bold | Recharge | |
スキップ機能 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
会員ランク機能 | ○ | ー | ー | ー | ー | ー |
お届け日・ 配送プラン変更 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ー |
CRM連携 | ○ | ○ | ー | ー | ー | ○ |
マイページへの 特記事項・ 補足の記載 | ○ | ○ | ○ | ー | ー | ー |
商品の変更 | ○ | ○ | ー | ー | ○ | ー |
LTV向上のために必要な機能
定期購買 | Mikawaya Subscription | Nocode Subscription | SENGIEN | Bold | Recharge | |
追加注文 | ○ | ○ | ○ | ー | ー | ー |
他アプリとの連携 | ◎ (LINE, klaviyo, スマレジ等) | ○ (klaviyo等) | ー | ー | ○ | ○ |
その他の機能
定期購買 | Mikawaya Subscription | Nocode Subscription | SENGIEN | Bold | Recharge | |
決済前の事前メール による決済エラー防止 | ○ | ー | ○ | ー | ○ | ○ |
決済エラー通知 →再決済機能 | ○ | ー | ー | ー | ○ | ー |
レポート機能 | ○ | ○ | ー | ー | ー | ○ |
メール文面変更 | ○ | ○ | ○ | ー | ○ | ○ |
他アプリからの移行機能 | ○ | ー | ー | ー | ー | ー |
比較②サポート面
今回ご紹介しているアプリは、全てほぼノーコードで導入が可能です。
しかし、やはりお客様に利用していただく定期購入の機能を導入するからには、サポートもしっかりして欲しいところ。
各アプリのサポート体制がどうなっているか比較しました。
定期購買
公式HPに、「導入や運用サポートは2営業日以内に100%回答」との記載があります。
Shopifyアプリに問い合わせても1週間返事がない…。
このようなお声はよく聞きます。
2営業日に確実に返信が来るのは、非常に安心できますね。
メールの返信はもちろん、ZOOMなどを使ったオンラインでのサポートも提供しています。

また、アフィリエイト連携アプリなども提供しているハックルベリー社のイメージが強い定期購買アプリですが、実はサポートチームはフィードフォース社と共同で構成されています。
機能の開発はこれまで8つのShopifyアプリを開発しているハックルベリー社が、サポートはフィードフォースが集中的に行うことで、機能・サポートどちらもトップクラスになっています。
ヘルプページも充実しており、さらにインストール店舗には定期購買をはじめるのに必要な基礎知識をまとめたホワイトペーパーを無料公開してます。
ハックルベリーの代表がこれまでEC運営をしてきた経験などをもとに、定期購買を活用したビジネスモデルについて詳しく説明されており、このホワイトペーパーをDLするためだけにアプリをインストールする価値があると言っても過言ではありません。

Mikawaya Subscription
公式HPには、「アプリの提供だけではなく、定期通販の構築・運用支援に実績のある弊社がストア毎のニーズに応じたサポートを行います。」と記載されています。
定期購入はアプリを入れればうまくいく、という訳ではありません。
Mikawayaでは実際にビジネスが上手く回るようなアドバイスもしていただけるとのことです。

また、アプリを導入した店舗限定で「Mikawayaサブスク研究所」に加入ができます。
2021年8月現在で、20人のメンバーが加入しています。
NoCode Subscription
お問い合わせフォームには「なるべく24時間以内にお返事させていただきます。」との記載がありますので、質問に対するレスポンスはスピーディーに行われているようです。

ただ、ヘルプページがあまり充実していないので、分からないことは都度問い合わせをする必要がありそうです。
SENGINE
プロフェッショナルプランではメールでのサポートのみ、エンタープライズプランにアップグレードすることでビデオ通話でのサポートを受けることができます。
ストアページからヘルプページに飛ぶことはできず、初心者の方は少し苦戦するかもしれません。
Bold / Rechaege
この2つのアプリは、ストアページに、「直接日本語でのサポートは行なっていない」との記載があります。

英語が得意でない場合、毎回翻訳して質問をするのはかなり手間になることでしょう。
サポートを十分に受けたい場合は日本製アプリを使用されることをお勧めします。
比較③費用面
どうしても気になってくるのが費用面。
それぞれの課金システムを比較しました。
アプリ名 | プラン名 | 月額費用 | 手数料 |
定期購買 | STANDARD | $49 | 1% |
Mikawaya | ライト | $0 | 3% |
ベーシック | $49 | 1% | |
Nocode | ベーシック | $29 | – |
SENGINE | プロフェッショナル | $50 | 1% |
エンタープライズ | $300 | 0.50% | |
Bold | CORE | $49.99 | 1% |
Recharge | STANDARD | $0 | 1% |
PRO | $300 | 1% |
一見すると、月額費用が無料のアプリがお得に見えますが、注目したいのが「手数料」です。
月額$49+手数料1%と月額無料・手数料3%では、どちらが固定費が安いのか計算してみました。
下のグラフをご覧ください。
月の売り上げが30万円を超えると「月額$49+手数料1%」のプランの方が固定費が安くなることがわかります。
さらに月の売り上げが100万円を超えると、2倍以上の差が出てきます。

売上 | 月額$49+手数料1% | 月額無料+手数料3% | 月額$300+手数料5% |
¥100,000 | ¥5,900 | ¥3,000 | ¥30,500 |
¥200,000 | ¥6,900 | ¥6,000 | ¥31,000 |
¥300,000 | ¥7,900 | ¥9,000 | ¥31,500 |
¥400,000 | ¥8,900 | ¥12,000 | ¥32,000 |
¥500,000 | ¥9,900 | ¥15,000 | ¥32,500 |
¥600,000 | ¥10,900 | ¥18,000 | ¥33,000 |
¥700,000 | ¥11,900 | ¥21,000 | ¥33,500 |
¥800,000 | ¥12,900 | ¥24,000 | ¥34,000 |
¥900,000 | ¥13,900 | ¥27,000 | ¥34,500 |
¥1,000,000 | ¥14,900 | ¥30,000 | ¥35,000 |
定期購入は、しっかり集客ができていれば自ずと毎月売り上げは上がっていくもの。
今後の売り上げ目標を当てはめて、結果的にいくらくらいの手数料がかかりそうか、しっかり計算しておきましょう。
また、月額費用・手数料が共に安くても、機能やサポートがしっかりしていなければ上手く使いこなすことは難しいでしょう。
費用面だけでなく、機能やサポート面も考慮することをお勧めします。
比較④口コミ・実績面
それぞれの口コミや提供している会社の実績などを調査しました。
※各レビュー画像はShopify App Storeより引用させていただいております。
定期購買
- 日本製アプリでの導入数:4アプリ中1位
- インストール数(アクティブ数):約730店舗
- ストアページのレビュー数:19
- ストアページのレビュー評価:4.7
- 実際のレビュー(一部)





Mikawaya Subscription
- 日本製アプリでの導入数:4アプリ中2位
- インストール数(アクティブ数):〜約180店舗
※2021/8/23時点:ハックルベリー社独自調査方法により算出 - ストアページのレビュー数:10
- ストアページのレビュー評価:5.0
- 実際のレビュー(一部)




NoCode Subscription
- 日本製アプリでの導入数:4アプリ中3位
- インストール数(アクティブ数):〜約150店舗
※2021/8/23時点:ハックルベリー社独自調査方法により算出 - ストアページのレビュー数:1
- ストアページのレビュー評価:5.0
- 実際のレビュー

SENGINE
- 日本製アプリでの導入数:4アプリ中4位
- インストール数(アクティブ数):〜約10店舗
※2021/8/23時点:ハックルベリー社独自調査方法により算出 - ストアページのレビュー数:0
- ストアページのレビュー評価:-
Bold
- インストール数(アクティブ数):算出中
※2021/8/23時点:ハックリベリー社独自調査にて確認中 - ストアページのレビュー数:183
- ストアページのレビュー評価:4.3



Recharge
- インストール数(アクティブ数):算出中
※2021/8/23時点:ハックリベリー社独自調査にて確認中 - ストアページのレビュー数:643
- ストアページのレビュー評価:4.7



まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は6つのShopifyサブスクアプリの比較を行いました。
海外製のアプリに比べ、日本製のアプリが機能的に劣っている点はほとんどありません。
サポートもしっかりしているので、日本でストアを運営している担当者の方には日本の商習慣にあった日本製アプリを導入することをお勧めします。
日本製アプリの中でも、「定期購買」アプリはLTVアップに欠かせない会員ランク機能や、決済前の事前メールによる決済エラー防止機能などが備わっています。また、本アプリを提供するハックルベリーはこれまで8つのアプリを提供してきており、実績もしっかりしています。
無料で試すこともできるので、まずは「定期購買」アプリの導入を検討してみるのはいかがでしょうか?
また、既に他アプリを使っているという方も大丈夫。「定期購買」アプリには移行機能があるので、リスクなく移行を完了させることができます。詳しくは [email protected] までお問い合わせください。
※執筆した内容については、十分に確認の上掲載させて頂いておりますが、2021年8月時点に調査した内容となり、各アプリなどで機能変更等が実施されている可能性がございますのでご了承ください。
内容に間違いや修正をご希望の場合は、こちらよりお問い合わせください。
[email protected]
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