【ECの顔 #01〜アパレル編】「RRR」管星空さんインタビュー


「実際みんな、どうやってEC運営してる?」

専門用語が並んだ記事はいっぱいあるけれど、個人でECを立ち上げた人や、会社内でECを担当している人、現場環境の人がどうやっているのかは、意外と知られる機会の少ないECのお仕事。

そんなECのお仕事を、ネットショップの顔でもある、EC担当の方々の体験談を通して知ってもらうべく、”等身大のECカルチャー”をコンセプトとしたインタビュー企画、「ECの顔」を新たにスタート。

第1回目は”アパレル編”として、ファッションブランド・RRR(アール)でマネージャーを担当されている、管星空(かん・せいら)さんにお話を伺いました。

<RRRマネージャー・管さんのEC運営>
ECジャンル:アパレル
担当業務:EC運営全般、商品生産、数値管理など
EC歴・経験:2年目、経験なし
EC運営で大切にしていること:お客様ファースト
運営のコツ:チーム全員で徹底的に話し合う
こだわりポイント:画像と実商品のギャップをなくす
モチベーション:お客様からリアクションを頂く時
気になるECサイト(自社以外):MAISON SPECIAL、PERVERZE

ファッションブランド「RRR」について

はじめに、管さんの担当されているファッションブランド、RRRについてお伺い出来ますか?

私はRRRというファッションブランドのマネージャーを担当しているのですが、RRRでは、オリジナルのアパレル商品を取り扱うブランド「RRR」と、古着を取り扱う「RRR VINTAGE」の2つを展開しています。

原宿にお店を構えるRRR SHOP。実店舗とECの両方を運営している

RRRでは”あなたの日常をカラフルに染める虹でありたい”というコンセプトのもと、カラーリングのバランスを大事にしていたり、2WAY・3WAYのように、1着の服で色々な着こなしが出来るアイテムだったりと、全体的に遊び心のあるアイテムを提供しています。

取材当日、管さんもRRRの新作を身にまとってご出演

-お客さまはどのくらいの層の方が多いですか?

立ち上げ時よりも上がってきていて、今は20代半ばくらいのお客さまが多いです。立ち上げから5年ほど経つのですが、RRRはブランドディレクターと同世代のお客さまが多く、そのお客さまと一緒に成長してきた感じで、5年目になるからこそ、最近は年齢層が少し上がってきたのではないかなと。

-ブランドとお客様が離れずに、共に歳を重ねて成長していくって、とても理想的ですね。

RRRではECだけでなく実店舗もあって、最近はあまり店頭に立てていないですが、私も3年前から店頭にも立っていました。その当時からのお客様にも、お互い3年振りの仲だから、「久しぶり〜大人になったね!」とかの会話もありますね。

-もう、同級生みたいな(笑)

本当そういう感じで、一緒に成長していっているんだなと感じています(笑)

ECの専任を付けず、メンバー全員で運営

-RRRではマネージャーを担当されているとのことですが、具体的にどのようなお仕事をされていますか?

私自身はEC運営、商品生産、数値管理など、ブランド業務全般を担当しています。

-ブランドは何名で運営されていますか?

今は3名体制で運営しています。私がマネージャーを担当していて、その他にブランドディレクターとショップマネージャーの計3名が主で、あとはインターンが数名いるので、その子たちに手伝ってもらっているような形です。

-その中でEC担当は、明確に分けているのでしょうか?

誰がEC担当という風には分けていなくて、主要メンバー3名全員でECを運営しています。ディレクターを中心としつつ、マネージャー2名でサポートしていくような。撮影業務も3人みんなでやっているので、スタジオ手配や機材準備、ケータリングの用意まで全部やります。

-それはかなり多忙ですね。過去にEC運営を経験されていたことはありますか?

それが全くやったことがなく、最初はECっていう言葉も知らなかったです(笑)ECとは〜から始まり、RRRの前任マネージャーがECを担当していたので、その子に聞いたり。あとはブランドディレクターにもやり方を教えてもらいながら、EC運営を覚えていきました。

チーム全員が納得するまで、徹底的に話し合う

-複数名のチームであれば、ECとしての専任を付けることも多いので、EC業務を各自上手く分担されて、かつバランスが取れているというのは、とてもすごいなと感じました。逆に衝突することとかはなかったですか?

衝突は…ないですね、1回もない(笑)

-それはすごいですね!

もう「ありがとう」と「ごめんね」が、常にあふれている感じです。

-EC担当を付ける必要性って、専門知識はもちろん、複数人で1つのサイトを管理するっていうのが難しい理由もあると思うんです。その衝突がまったくないって言うのは驚きですね。上手くやっていく秘訣とかはありますか?

なんだろう…でもメンバーに共通して言えることは、ブランドとお客さまのことを想ってやっているから、そこの本質的な部分がみんな同じだからなのかな、とか。RRRに対しての価値観だったり、お客さまに対してずれている部分があったら、そこでまず意見が一致しないじゃないですか。そういうのがないから、上手く出来ているのかなと。

あと、本当にメンバー全員が納得するまで、話し合います。それこそ1商品の販売施策でも、全員がいいねってなるまで話し合うって感じで。みんな自分の意見をそれぞれちゃんと持っているのに、自分を無理に突き通そうとはしないで、お互いを尊重するから、たまに優しい世界にあふれてます(笑)

-みなさん物腰が柔らかいですね…!最長で何時間くらいミーティングされました?

それがちょうど先日、最長記録を更新して、3時間くらい話し合いました(笑) 

-すごい!それはみなさん思っていることに若干違ったところがあったからですか?

そうなんです。それは一企画の話だったんですが、話し合っていた時に、「みんな自分で意見を持ってる」「でもみんなの意見も分かる」のループが続いてしまって(笑)じゃあ一番良い答えはなんだろう、を導き出すのに、ちょっと時間が掛かってしまいました。

でもそれが上手くいっても、良い方向に行かなかったとしても、全員で決めたことだからこそ納得が出来て、いつもみんなで反省をして、良い方向に進むように改善しています。

備考欄で生まれる、お客さまとのコミュニケーション

-実店舗と違って、対面でコミュニケーションが取れないECで、EC担当の方がどこにモチベーションを置いているのかと思いまして。管さんはどこに対してモチベーションを感じられますか?

ECは対面で接客出来ないので、お客様の反応は当然分かりにくいですが、RRRの場合、ECの購入ページの備考欄で「自分へのご褒美で買いました」とか、「ずっと欲しくてやっと買いました」とか、お客様からメッセージを頂くことがあって。それがすごいうれしいなって思う瞬間です。

-それはすごいですね!購入ページの備考欄が、そんな風に使われるなんて。

RRRのお客様って本当にあたたかくて。長文でRRRの愛を語ってくれる方とか、「今までは見てるだけだったけど、初めてお買い物をしました」とおっしゃって下さる方とか。そういう風に言葉にして伝えてもらう瞬間があるのは、いいなって思います。

”アパレル”を扱うECとしてこだわっていること


-”アパレル”を扱うECとして、こだわっているポイントはありますか?

RRRはカラフルな服を取り扱っているからこそ、実商品との色味を近づける意識はしています。ECでお買い物をされるお客様って、購入した商品が思っていた色味・素材と違った、っていう経験がある方は多いのかなと思うので。

着用写真だけでなく、精度の高い物撮り画像が並ぶ

-私もサイトを拝見しましたが、色味や素材感がとてもきれいに出ていて、丁寧なお仕事されているんだなと感じました。

商品公開ギリギリまで微調整しているので(笑)「なんか思っていたのと違う」っていう感情って本来お客さまにとって不要なもので、シンプルに「買って良かった」で終わって欲しいので、なるべくギャップをなくせたらいいなと思っています。

商品以外の面でも、お店だと空間や接客でブランドの世界観を体験して頂くことが出来ますが、ECだと画面上でしか届けられないので、トップページのデザインだったり、コレクションのビジュアルであったり、見やすさ以外でブランドの世界観を作り込むことも大事にしています。

徹底したEC体験によって、ファンが生まれる

-ビジュアル面以外で、実店舗にはないECだけの体験など、何か工夫されていることはありますでしょうか?例えば、商品を発送した時にメッセージを同梱するとか。

”購入してくれてありがとう”の意を込めた「サンキューカード」は、ご購入頂いたお客様へ、必ず入れています。ポストカードのようなものです。

あとは体験という面では、細かいのですが商品の梱包にはこだわっていて。OPP袋の入れ方、商品の包み方、テープの付け方、ステッカーを貼る向きまで全部決めていて、配送チームとも共有しています。店頭でなくても、お買い物としてせっかく受け取った時に「くしゃくしゃはやだな」っていうのがあり。

-他のショップでもシステム的に配送のルールなどはあると思うのですが、受け取る側の体験として、細部まで徹底されていますね。

その梱包自体も、RRRではオリジナルのダンボール箱を作っていまして。開けた時のかわいさを意識して、内側がピンクになっていて、メッセージをプリントしているんです。自宅に届いて開封した時、そのまま写真を撮って頂けるようにしています。

RRRのオリジナルダンボール。開いた瞬間にブランドの世界観が広がる

 -とてもいいですね!購入する側としてはうれしいこだわりなのでは。

お客様もダンボール箱を取っておいてくれることが多くて。ダンボール箱に限らず、ずっとECでしか購入したことがなかったお客様が、初めてお店に来店してくださった時に、今までECでお買い物をして集まったサンキューカードを見せてくださったりとか。そういうのを聞くと、とてもうれしいです。

管さんが個人的に「面白い」と思うECサイト

-管さんが個人的に「ここ面白いな」って思うECサイトはありますか?

アパレルのECとしては、「MAISON SPECIAL」はすごいなと思います。例えばパンツが3色展開だったら、パンツの色に合わせてルックの背景やプロップも細かく切り替えられてたり。ECページも、スタッフ着用画像が豊富で、商品の詳細が分かりやすくなっていて。情報を豊富に押さえつつ、コレクションの世界観もちゃんと伝わってくるので、見応えのあるサイトだなと思っています。

他には「PERVERZE」のECが面白いなと思っています。RRRではメイン商品を分かりやすく見せるために、物撮りや棒立ちのルックが多めだったりしますが、PERVERZEでは遊びのあるカットが多いので、雰囲気もありますし、RRRとはまた違う見せ方をされているブランドなので、個人的に気になって見ています。

-ありがとうございます。最後に、お知らせなどあれば教えて下さい!

RRRのサマーコレクションが7/15(金)から新たに発売しますので、よろしければぜひご覧下さい!

「RRR summer 2022 collection」

元気いっぱい・とても明るい・活発的 を意味する、”FULL OF BEANS”をテーマに、スポーツを連想させる素材・ディテールを用いた今回のコレクション。7/15(金)〜7/31(日)の期間中、RRR ONLINE SHOPにて、オンライン通常販売。RRR SHOP店舗販売は7/15(金)〜スタート。

[RRR ONLINE SHOP]

編集後記

インタビューでは終始、お客様とブランドへの愛に満ちていた管さん。対面で接客する場のないECを担当されている今でも、”接客業”という言葉が違和感なく当てはまる、とても素敵なお方でした。記念すべき第1回目から、素敵なインタビューを担当させて頂き、ありがとうございました!

\ 導入実績20.000店以上!相談無料!/

EC Magazineに相談する

Button Image Button Image